訪日外国人旅行者はどこからきてどこを目指すか――。JR東日本とNTTデータは4月20日、訪日外国人旅行者移動実態調査結果を発表しました。

今回の調査は、増加傾向にある訪日外国人旅行者の、鉄道利用をはじめとした国内の移動需要を把握し、各種インバウンド施策に反映させることが目的で、次にあげる3つの手法で調べました。

1.広域移動実態調査――外国人旅行者の「広域移動」について、入国区域別・国別に調査・分析。利用データはNTTドコモ「モバイル空間統計」。訪日外国人約500万台の携帯電話運用データから推計された旅行者データを分析。

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2.狭域(首都圏)移動実態調査――外国人旅行者の「狭域移動」について、首都圏のみ滞在した旅行者の移動に絞って調査・分析。利用データはNTTアド提供の観光アプリ「Japan Travel Guide」のGPSデータ。

3.アンケート調査――訪日中の移動・交通機関の利用状況等について、訪日旅行経験者にWebアンケート調査。中国、韓国、台湾・香港・アメリカの5か国の訪日旅行経験者にWebでアンケートを実施。

これら調査の結果、次のような3つのトレンドが見えてきました。

◆訪日外国人旅行者のうち、広域移動者の数が多いのは関東と近畿からの入国者。また、割合は信越・北陸・東海が多い。いっぽう、北海道・沖縄・九州は、狭域のみの移動者が非常に多い。

◆中国・アメリカ・フランスからの旅行者は、滞在都道府県数が多く広域移動傾向が高い。移動傾向の低い韓国をのぞき、関東が最多滞在区域。台湾・香港には地方分散傾向が見られる。

◆首都圏の狭域移動については、来日初日から新宿・浅草・銀座などに多くの旅行者が訪れ、来日2日目に舞浜エリアへの移動が急増している。また、旅程が平均3.7日と短く、東京の定番観光地のみを周遊する傾向がうかがえる。

また両社は、SuicaやPASMOなどのICカードの利用率について、「自国もICカードを導入している国が多く、認知率は非常に高い。利用率は3割だが、利用しなかった理由は『必要なかった』という回答が多い」とも伝えています。