ユーラシア大陸の鉄道網に、日本企業が本格展開――。日本通運の中国現地法人・日通国際物流と、欧州日本通運が、中国欧州間クロスボーダー鉄道輸送サービスの取扱い可能な都市と輸送ルートを5月22日から大幅拡大。ユーラシア大陸内の鉄道網を活用した輸送を「Eurasia Train Direct」と銘打ち、新規ルート開発と販売強化をすすめます。

両社は、2015年11月からコンテナ貸切(FCL)サービス、2016年8月から混載輸送(LCL)サービスを開始。今回は、これらの取り扱い都市を拡大させ、「空よりも安く、船よりも早いサービスを今後も拡充し、新しいニーズに積極的に応えていきます」と同社。今回、新たに加わったルートは、次のような路線です。

◆コンテナ貸切(FCL)サービスルート「West Bound」(中国発 欧州行き)

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成都→ウッチ(ポーランド)、ニュルンベルク(ドイツ)、ティルブルフ(オランダ)
義烏→マワシェビチェ、デュイスブルク、マドリード(スペイン)
蘇州→ワルシャワ(ポーランド)
瀋陽→ワルシャワ、ハンブルク
長春→マワシェビチェ、ハンブルク
西安→マワシェビチェ、ハンブルク

◆コンテナ貸切(FCL)サービスルート「East Bound」(欧州発 中国行き)

ハンブルク(ドイツ)→鄭州、武漢、重慶、哈爾濱(中国)
ブレスト(ベラルーシ)→瀋陽、蘇州
ミュンヘン(ドイツ)→武漢、重慶
ブダペスト(ハンガリー)→武漢、重慶
ウッチ(ポーランド)→成都
マドリード(スペイン)→義烏
ニュルンベルク 成都、武漢、重慶
ティルブルク(オランダ)→成都、武漢、重慶

◆混載輸送(LCL)サービスルート「West Bound」(中国発 欧州行き)

寧波→ワルシャワ(ポーランド)、デュイスブルク
鄭州、重慶、成都、長沙→オストラバ、プラハ
合肥→オストラバ、プラハ、ワルシャワ
天津、青島、済南、深圳、広州、東莞、中山、仏山、福州、厦門、上海、無錫→ワルシャワ

◆混載輸送(LCL)サービスルート「East Bound」(欧州発 中国行き)

ハンブルク(ドイツ)→蘇州、常州、成都、重慶、杭州、黄岩(台州)、江陰(無錫)、金華、馬鞍山、南京、南通、寧波、上海、温州、武漢、揚州、張家港

同社は、今回の拡大メリットについて、次のように伝えています。

「FCL、LCLサービスエリア拡大により、貨物量の多寡に関わらず、顧客に近い貨物鉄道駅から、ブロックトレインに積載。適切な輸送ルートを選択でき、輸送のリードタイムやコストを削減できます」

「例えば、浙江省からスペインへ輸送する場合、これまでは武漢(中国)~デュイスブルグ(ドイツ)間を鉄道で輸送し、その前後はドレージで長距離輸送を行っていました。今後は、義烏(中国)~マドリード(スペイン)間を鉄道利用することで、一貫輸送運賃は約30%削減されます。中国、欧州域内ともに、日通グループのトラック輸送網を組み合わせて、発着の顧客拠点間を当社グループが一貫輸送します」

中国と欧州を結ぶ大陸間鉄道輸送については、中国国務院が「2020年までに中国43都市から年間5000本のブロックトレイン運行を目標とする」と表明しています。