「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」――近畿地方交通審議会答申第8号(2004年10月)にこう位置づけられた、大阪中心部を南北に貫く計画路線があります。新大阪と関西国際空港の間を、うめきた新駅、南海汐見橋、JR難波などを経由して結ぶ、なにわ筋線です。

なにわ筋線の意義について大阪市は「JR阪和線、南海本線等を介し、関西国際空港連絡線に直結する路線であり、JR新大阪および京阪神圏の各拠点都市から関西国際空港へのアクセス機能の強化に資する路線である。現在、大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄 4者で事業化に向け、検討中」と記しています。

整備効果(時間短縮効果)については、大阪(梅田)から関空への想定で、JR経由で現状68分、東海道支線地下化時51分、なにわ筋線整備時46分(すべて乗換0回)。南海経由で現状56分(乗換1回)、東海道支線地下化時56分(乗換1回)、なにわ筋線整備時47分(乗換0回)と伝えています。

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「はるかが天王寺駅のみに停車した場合には約40分まで、ラピートが南海難波駅または南海汐見橋駅のみに停車した場合には約38分まで短縮の可能性あり」(大阪市)

こうした新線計画の検討がすすめられているなか、新聞大手各社が5月20日、なにわ筋線に新たに設置する4駅とその仮称などを伝えました。産経新聞は、なにわ筋線に阪急電車も乗り入れ、5者で協議していくという内容を伝えています。

<本記事掲載後、5者による共同の発表がありました>

大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄、阪急電鉄は、R難波駅~(仮称)西本町駅~(仮称)北梅田駅、南海新今宮駅~(仮称)西本町駅~(仮称)北梅田駅の早期事業化をめざします。

総事業費(概算事業費)は、約3300億円。地下高速鉄道整備事業費補助による上下分離方式を想定し、第3セクターで運営。営業主体は、JR難波~(仮称)北梅田間がJR西日本、南海新今宮~(仮称)北梅田間が南海電鉄。5者は2031年春開業を目標に、計画をすすめます。

また、「(仮称)北梅田駅北側で阪急十三方面に分岐する路線(なにわ筋連絡線)について、国と連携しながら整備に向けた調査・検討を進めます」とも伝え、阪急との連絡についても触れています。


(資料:大阪市)