橋りょうまくらぎ測量装置
※写真はJR東海ホームページより

JR東海は平成21年より東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策を実施している。今年度からは無道床橋りょうにおける脱線防止ガードの敷設を進めている。

無道床橋りょうでは列車が通過する際にその荷重で橋桁がたわむという特性がある。このたわみを考慮して橋りょうまくらぎ(樹脂製)の厚さを連続的に変えて設置することで車両の快適な乗り心地を確保している。

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このため橋りょうまくらぎ交換の際には作業員が1本ずつ手作業で厚さをミリ単位まで測る必要があった。しかし橋りょう上での不安定な姿勢での作業は必ずしも安全とは言い難い上、ひじょうに非効率という面もあった。

今後、JR東海は24.4kmにおよぶ無道床橋りょうの脱線防止ガード敷設を計画しており、その為には約3万本の橋りょうまくらぎの交換が必要となる。そのための高精度で速く安全な計測を行う3次元測量技術を用いた装置をJR東海小牧研究施設において開発した。

■橋りょうまくらぎ測量装置概要

橋りょうまくらぎ測量装置
※写真はJR東海ホームページより

・レーザースキャナー、GPS、走行距離計等で構成される。
・これらを電動で走行する台車に搭載、オペレーターの操縦によりレール上を2km/hで自走し計測する。
・この装置は2016年11月に(株)アスコ大東(大阪市)と共同で特許を出願している。

■装置の特長と導入効果

・最大誤差±1mmの高精度で敷設された橋りょうまくらぎの3次元位置情報を取得できる。
・1日当たり、作業員の手作業に比べ約20倍の距離が計測できる。
 
※従来30m/日 → 新装置600m/日

参考資料

橋りょうまくらぎ測量装置
※写真はJR東海ホームページより

橋りょうまくらぎ測量装置
※写真はJR東海ホームページより