総合物流業に飛躍 ブロックトレインや定温貨物列車を新設 JR貨物が「グループ長期ビジョン2030」策定
レールゲートを物流結節点に
施策の2番目に掲げた「貨物駅の物流結節点機能の向上」も、貨物鉄道の利用促進に欠かせません。貨物を鉄道輸送する場合、発荷主、着荷主の双方で工場や倉庫から近隣の鉄道貨物駅までのフィーダー輸送が必要になります。最近の貨物鉄道は駅間直行のコンテナ輸送がほとんどで、コンテナ貨車からトラックへの積み替え時間を短縮したり、駅で貨物を一定時間保管できるようにするのが物流結節点機能向上の意味するところです。
図の「レールゲート」とは貨物鉄道駅のマルチテナント型大型物流施設で、いうなれば旅客鉄道会社にとっての駅ビルのような存在。2020年3月、東京都品川区の東海道貨物線東京貨物ターミナル駅構内に開業した「東京レールゲートWEST」が全国第一号です。テナントとして入居する企業は、レールゲートを倉庫に貨物を一時保管したり、製品を小分け包装して商品化するのにも使えます。
物流業界では、輸送する貨物に付加価値を付けるビジネスを「流通加工」と呼んで一定の収益源になっています。レールゲートは、JR貨物の流通加工基地という見方もできるでしょう。全国展開では、札幌や大阪、福岡など全国主要都市にレールゲートを順次開設する計画のようです。
「ブロックトレイン」と「定温貨物列車」
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新しい輸送サービスでは、「ブロックトレイン」と「定温貨物列車」が登場します。ブロックトレインはシベリア鉄道をはじめとする海外に事例がありますが、日本へは今回が初登場。輸送力をブロック(区画)売りして、列車1編成または一部貸切で輸送(専用ブロックトレイン)したり、複数荷主の貨物を積み合わせで運ぶ(混載ブロックトレイン)スタイルを意味します。
定温貨物列車は、温度管理が必要な食料品や医薬・精密機器などの専用列車。1編成の貨車すべてを、温度管理できる定温コンテナで埋めます。