週1~2日はテレワーク、チームミーティングの日だけ全員出勤

働き方やオフィスの変化では、鉄道事業者に影響しそうな多くの指摘がありました。2020年4~5月の最初の緊急事態宣言で一気に進んだテレワークは、その後は一進一退ですが、企業や自治体ヒアリングでは「週1~2日はテレワーク。チームミーティングが必要な場合は出勤する」という働き方の常態化が判明しました。単純計算でも、1~2割は鉄道利用者が減る計算です。

一方で多くの期待が示されたのが、昼はレジャー、夜は仕事のワーケーション。「これまでの日本になかった働き方で、ニューノーマルにふさわしいライフスタイル。ただ、訪れる土地の人との触れ合いがないと、尻つぼみに終わる懸念もある。定着のためには、企業の制度としてのワーケーションが認知される必要がある」の見解が大勢を占めました。

公営シェアオフィスやホテルの客室で仕事

東京都が多摩地区で実施するサテライトオフィス=イメージ=(画像:国交省)

国交省はリポートで、ニューノーマルの働き方や街づくりの実例を数多く披露しました。これまで時差通勤を表してきた「スムーズビス」の一環として、東京都が打ち出したのが「TOKYOテレワーク・モデルオフィス事業」。簡単にいえば、都営のサテライトオフィスです。

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多摩地区に民間施設が少ないことを考慮したテレワーク支援策で、府中、東久留米、国立の各駅近隣3カ所に都が公設するシェアオフィスを設けます。企業か個人が登録すれば利用は無料で、都内在住なら個人事業主、つまりフリーランスも利用できるそうです。

もう一つのサテライトオフィス提供事業が多摩地区のホテルを活用する客室テレワーク。東京都が、京王プラザホテル八王子、同多摩といった私鉄系を含む多摩地区のホテルと契約し、1日1室500円で提供します。

地方圏では、群馬県が「リモート県」として居住者を積極誘致します。同県は、子育てのしやすさを発信して東京圏からの移住者を受け入れます。県内居住地にもよりますが、前橋や高崎、桐生などなら東京への通勤も十分に可能で、テレワーカーの住まいに最適といえるでしょう。