ビッグデータで乗り心地改善

オンライン会見でグローバルロジックの買収を発表する東原日立社長(中央)(筆者撮影)

最後はメーカーサイドのニュース。日立製作所が2021年3月に発表した、アメリカのデジタルエンジニアリング企業・GlobalLogic(グローバルロジック)の買収は、鉄道車両では乗り心地改善をはじめとする快適性向上の可能性を持ちます。

グローバルロジックはセンサーなどの端末で収集した情報を、クラウドコンピューターに送信して分析する、ビッグデータ処理の「Chip-to-Cloud(チップ・トゥ・クラウド)」と呼ばれる技術にノウハウを持ちます。鉄道分野では自動運転のほか、営業用車両から得られるデータを解析して、トラブルの予兆を見付け出す、状態(常態)監視への応用に期待。オンライン会見した東原敏昭社長(現在は会長兼社長)は、鉄道や自動車のモビリティ分野への応用について、「多くのデータを集めることで、例えば乗り心地のような感覚的な事柄の改善も可能になるだろう」と可能性を語りました。

文:上里夏生