和歌山市ふるさと観光大使を務める HYDE(L’Arc-en-Ciel/VAMPS)の南海電鉄「HYDE サザン」や、加太さかな線観光列車「めでたいでんしゃ」が姿をみせる、南海線の終着駅―――和歌山市。

この和歌山市には、大阪なんばへと直通する南海特急サザンが発着する。下り特急サザンは和歌山市駅が終着駅かと思いきや、その先にまだ行く列車もある。

南海線 和歌山市駅の先でつながっている和歌山港線。2.8kmの単線で、1日に片道11~13本程度しか走らない、南海の末端区間。

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現在は、和歌山港と徳島港を結ぶ航路 南海フェリーの発着にあわせて、普通列車のほか、特急サザンの一部もこの和歌山港駅に姿をあらわす。

消えた途中駅、県が保有する駅

和歌山港線はまず、1956(昭和31)年に和歌山市駅と初代 和歌山港駅の間が開業。その15年後の1971(昭和46)年に線路が延伸し、初代 和歌山港駅と水軒駅の間が開業する。

初代 和歌山港駅は築港町駅へと名をかえ、その先に現在の和歌山港駅が誕生した。

この延伸にあわせ、久保町駅、築地橋駅、築港町駅の3駅が出現。3駅とも利用者が少ないなどの理由から、2005(平成17)年に廃止。現在は和歌山市~和歌山港の間に途中駅はなく、電車が駅跡地をスルーしていく。

南海線系統の最末端駅、和歌山港駅は、実は駅舎は和歌山県が保有している。

和歌山港線は、2005年に廃止した久保町駅から和歌山港駅までの間の線路は、南海電気鉄道の敷設免許を譲り受け、港湾管理者の和歌山県が臨港鉄道として整備した。

こうした経緯から、現在も久保町~和歌山港は南海電気鉄道が第二種鉄道事業者、和歌山県が第三種鉄道事業者で、和歌山港駅も県が所有している。

この南海と和歌山県の境界 久保町駅は消滅したなか、県社分界点としていまも静かに存在している。

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