※2020年8月撮影

トップ画像は、山陰本線江崎(えさき)駅。山陰本線は幡生駅からこの駅までが山口県でした。次の飯浦駅からは島根県に入ります。幡生駅から35駅目が江崎駅。何と言っても山陰本線には支線の仙崎駅を入れて161駅もあるのです。まだやっと5分の1といった辺りです。山陰本線の木造駅舎は江崎駅が10駅目。まだまだ魅力的な木造駅舎に出会えそうです。

駅舎正面の目立つ場所にD51 196の車番プレート、「江崎駅開業50周年記念碑 昭和53年3月25日」とあります。江崎駅は昭和3年(1928年)開業。D51 196は、1939年(昭和14年)国鉄大宮工場で製造され、大宮から酒田、広島、最後は長門で1972年(昭和47年)に廃車になっています。昭和53年は、1978年。筆者は大学生でした。幾星霜。(笑)

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※2020年8月撮影

江崎駅は、1928年(昭和3年)日本国有鉄道山陰本線の駅として開業しています。1978年(昭和53年)貨物取扱が廃止。1985年(昭和60年)簡易委託駅になりました。国鉄分割民営化でJR西日本の駅になっています。

※2020年8月撮影

駅所在地は、山口県萩市大字下田万です。では、何故江崎駅なのかというと、そもそも駅が開業当時の所在地は、山口県阿武郡田万崎村大字下田万でした。

この田万崎村は、1889年(明治22年)に町村制施行で上田万村・下田万村と江崎村の区域が田万崎村になったのです。おそらくこの旧・江崎村の中心部に駅が作られたのではないでしょうか。

しかし、1940年(昭和15年)町制施行で江崎町になりました。これもまたややっこしい。

さらに1955年(昭和30年)には近隣の村と合併して田万川町になって江崎町は消滅。2005年(平成17年)には田万川町も合併で萩市になって消滅。複雑な自治体変遷の歴史が垣間見える駅名です。

※2020年8月撮影

駅出入口。左側壁面下部に長門粟野駅、三見駅、長門大井駅、奈古駅の木造駅舎にあったものと同じ装飾板が飾られています。色が気持ちクリームがかって見えるのは駅舎外壁が灰色だからですね。この装飾板、やはり同じ頃に建てられた木造駅舎に共通して使われた様ですね。

※2020年8月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)