工業力の進化を生かした完成度の高い車両

東京駅のセレモニーでは、鉄道友の会を代表して久保敏副会長が「N700系は工業力の進歩を生かした、非常に完成度の高い車両。コロナ収束後には、鉄道乗車を目的に多くの外国人が訪れるだろうが、そうした時代に向けた鉄道の方向性を示したのがN700Sといえる(大意)」と絶賛しました。

選考経過を紹介した加藤幸弘選考委員長は、バッテリー走行に代表される多くの新機軸が高評価されたことを報告しました。

「日本経済の成長をけん引する車両に」(田中JR東海副社長)

N700Sが登場した2020年夏は新型コロナの感染拡大で東海道・山陽新幹線も、かつてない苦境に置かれましたが、緊急事態宣言解除などで回復が期待されます。

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JR東海を代表して田中守副社長は、「ローレル賞は大変な名誉で、非常にうれしく思う。(コロナが収束に向かう中で)、日本経済の発展をけん引する車両として、輸送サービスの向上に努めていく」と決意表明。

引き続き、鉄道友の会からJR東海に表彰状と盾が授与。出席者全員でくす玉を割り、車両に取り付ける記念のプレートを除幕しました。

N700Sローレル賞授賞式でくす玉を割るJR東海と鉄道友の会関係者(筆者撮影)

日本鉄道賞選考委特別賞とグッドデザイン賞も受賞

N700Sはこれまでに、2020年の第19回日本鉄道賞選考委員会特別賞、2021年10月には車両本体のほかグリーン車用シートが「2021年度グッドデザイン賞」を受賞しています。次世代新幹線は、今回のローレル賞をあわせ「鉄道車両の三冠」を達成しました。

記事:上里夏生

2021年10月31日10時20分追記……初出時に使用した「N700S」の写真選定に誤りがあり、当該写真を除き、記事内容を修正いたしました。誠に申し訳ございません。(鉄道チャンネル編集部)