博多~由布院間を運行、車窓から垣間見える久大本線の名所

由布院駅直結の観光案内所「YUFUINFO(ゆふいんふぉ)」(2018年開業)から見える由布岳の様子。ガラス張りの同案内所からは由布院駅に停車する列車も見える

これまで「ハウステンボス~博多」「佐賀~長崎」など様々なコースを運行してきた「或る列車」ですが、2021年11月からは当面の間「博多~由布院」で運行(博多~久留米間は鹿児島本線、久留米~由布院間は久大本線)。西日本でもトップクラスの大都市と、日本一の「おんせん県」である大分の一大観光地を結びます。

久大本線といえば有名なのは「ゆふいんの森」――D&S列車の嚆矢として長年人気を博している列車で、こちらは「博多~由布院・大分・別府」を結んでいます。「或る列車」の運行ルート変更にともない、これからは「ゆふいんの森」と「或る列車」を組み合わせて、たとえば行きは「ゆふいんの森」・帰りは「或る列車」で……といった楽しみ方もできるようになります。

筑後吉井駅に停車中の「或る列車」(右)と通過する「ゆふいんの森」(左)

実際に10月31日に行われた試乗会では、取材のため博多~由布院まで「ゆふいんの森」に乗車し、由布院から「或る列車」で戻った方もいらっしゃいました。とはいえ実際の旅行でその「日帰り」はさすがに強行軍に過ぎるというもの。由布院は九州でも名高い観光地ですし、財布と時間が許す限り滞在して「湯めぐり」をしたいものです。

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久大本線は「ゆふ高原線」という愛称もある景観の良い路線です。のんびりとした田園風景のみならず、「慈恩(じおん)の滝」など見逃せない名所もあり、途中停車駅では跨線橋から行き交う列車を眺めることもできました。

機関庫で有名な豊後森も通る
車窓から眺められる滝というのも珍しい
晴れた日に橋上から見る川の流れがまた美しい
久大本線「田主丸駅」外観。駅舎内部の様子等は「鉄道チャンネル」の人気連載「木造駅舎コレクション」シリーズにて近々紹介予定(2021年4月撮影)

また途中の「夜明」駅では、日田彦山線の線路らしきものも見えました。2017年の九州北部豪雨により被災し不通区間となった添田~夜明間(29.2キロ)は、鉄道ではなくBRT(Bus Rapid Transit)での復旧が決まっています。

夜明駅出発後、進行方向(博多方面)右手の車窓から見えた日田彦山線の線路
夜明駅ではJR九州の気動車と並ぶシーンも

停車駅や停車時間などの細かい部分は調整中で、また久大本線を行く今回のコースでは「金・土・月・祝日」と「日曜日」で運行時間がだいぶ異なるため、実際の運行時にはこうした列車のすれ違い・並びが見られない可能性もあります。

リアルタイムで列車の運行情報を調べるなら「JR九州アプリ」が便利。列車走行位置がリアルタイムで確認できるため、お目当ての列車を見逃すこともありません。