京成津田沼駅では5、6番線を発車

京成津田沼駅で発車を待つ松戸行き電車。京成電車と並ぶ姿が見られます(筆者撮影)

それでは、京成津田沼駅から松戸行き電車に乗車しましょう。新京成は一番北側、5、6番線を発車します。5番線は京成千葉線とつながり、2006年から京成への片乗り入れがスタート。日中時間帯、新京成の電車ほぼ2本に1本が千葉中央に直通運転します。

京成津田沼から新津田沼までは、新京成唯一の単線区間。新津田沼駅ビルには大手スーパーがテナントとして入居し、2021年11月には新京成のグッズ販売会も開かれました。

新津田沼駅に入線する京成津田沼発松戸行き電車。京成津田沼―新津田沼間は単線なので、松戸行きの電車は両わたり線のポイントを通って駅に入ります(筆者撮影)

新津田沼から先、高根公団付近まで沿線には住宅地が広がります。その先はナシ園や畑も点在し、自然も味わえます。関東の駅100選に選ばれたのが鎌ヶ谷大仏。江戸時代建立の鎌ヶ谷大仏は高さ1.8メートルで、台座を含めても2.3メートル。地域の人たちの愛着は強く、戦争中の金属供出も拒否して現代に至ります。

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初富駅を発車後、車窓は一変します。千葉県などの都市計画事業で鎌ヶ谷大仏―くぬぎ山間が2019年12月に連続立体交差化され、鎌ヶ谷市内の約3.3キロが高架上に。初富、新鎌ヶ谷、北初富の3駅は高架駅になり、12カ所の踏切が廃止されました。事業認可は2002年3月で、完成までは約20年というロングランの鉄道近代化でした。

松戸市内に入ると再び沿線に住宅街が広がります。駅名にある常盤平団地は、新京成開通に歩調を合わせて開発が進みました。4階建ての中層住宅が全部で170棟。近年、住民の高齢化という課題を抱えており、関係機関の手でリノベーションが進みます。

松戸駅では一番東側の7、8番線が新京成ホーム。JR常磐線に乗り換えれば、上野、東京(JR上野東京ライン)、大手町、霞ヶ関(東京メトロ千代田線直通)などに乗り換えなしで到着できます

新京成のコラムは以上ですが、同社は2022年1月10日までの任意の3日間、全線に乗り降り自由な企画きっぷ「乗りトク!年末年始おでかけきっぷ」を発売中です。御瀧不動尊(最寄り駅・滝不動)などへの初もうでを兼ねて、沿線さんぽなさってはいかがでしょうか。

記事:上里夏生