※2022年1月撮影

トップ画像は、小湊鉄道上総山田駅。広い駅前広場があります。駅舎へのアプローチに「階段がない」という点を除けばほとんど馬立駅と同じ佇まい。馬立駅と同じ証明写真機も同じ場所に設置されています。しかし馬立駅とは線路の反対側、西側に駅舎があります。

駅前広場の南側から。

ADVERTISEMENT

※2022年1月撮影

1925年(大正14年)に開業した小湊鉄道建設第一期に作られた里見駅、高滝駅、上総鶴舞駅、上総牛久駅、馬立駅と共通デザインの駅舎ですが細部はそれぞれ微妙に異なっています。

馬立駅は周囲に病院や学校などがありました。上総山田駅の周囲は、住宅もパラパラありますが広大な農地が広がっています。

※2022年1月撮影

駅の所在地は、市原市磯ヶ谷ですが、磯ヶ谷は線路の東側です。駅前と西側の地名は山田です。

1925年(大正14年)駅開業時は養老川駅でした。元々1889年(明治22年)町村制施行で松崎村、磯ヶ谷村、山田村などが合併して養老村が発足しています。駅ができた頃は養老村だったのですが、駅名は養老川駅になっていました。

1954年(昭和29年)上総山田駅に改称。翌1955年(昭和30年)養老村は、市西村と合併、三和町になり養老村は消滅しました。1963年市原町、五井町、三和町、姉崎町、市津町が合併して市原市が発足し、三和町も消滅。

駅所在地の磯ヶ谷、駅名になっている山田は、明治以前からある地元の村名です。

清涼飲料水自動販売機の奥、引き戸がある駅事務室部分が出入口よりも出っ張っている点がこの駅舎の特徴です。

※2022年1月撮影

駅所在地正面。無人駅です。駅舎は国の登録有形文化財。

※2022年1月撮影

駅舎出入口。、右の木製ベンチは共通で備えられています。

※2022年1月撮影

改札口の木製ラッチの上に何か点灯しています。

※2022年1月撮影

「今度の列車は こうふうだい を出ました」と表示されています。下り上総中野駅方面が来る様です。券売機の前に利用者さんがいたので乗車券は後から買うことにしてホームに出ました。

※2022年1月撮影

「迎春」というヘッドマークを掲出した小湊鉄道キハ201形気動車が2両編成で来ました。ホームから戻って入場券代わりの乗車券を買いました。次の駅に向かいます。

駅前の眺め。

※2022年1月撮影

下り列車が来たりして、バタバタしたので駅舎を北側から撮るのを忘れました。同じ形の駅舎が続くので現場で記憶が少し混乱していたのかもしれません。

※タイトルは『木造駅舎』となっていますが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎だけをとりあげているワケではございません。あくまでも筆者が気に入った駅舎を恣意的に選ばせていただいています。外観が明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎カタログ】のまま進行いたします。悪しからずご了承ください。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)