「カラープリント 大伸ばし 特急 仕上げ」

特急列車? 仕上げ? Z世代から下の人たちには、なんのこっちゃまったくわからない看板かもしれない。

ここは京成電鉄の“ふた駅盲腸線” 金町線の終着駅、金町。金町線は、人車軌道の帝釈人車鉄道をルーツとする、京成でも最も古い路線のひとつ。

ADVERTISEMENT

そんな金町は、一部が高架化した京成高砂駅とは対照的に、昭和の雰囲気をそのままとどめて、下町のなつかしい景色のなかをさまよえる。

夕方から夜にかけてのトワイライトな時間に歩くと、いろいろおもしろい。

1面1線の金町駅ホームを、金町線 柴又第6号踏切道から眺める。ジャージ姿の少年が電車を待ち、むこうから作業員が台車に荷物を山積みにしてごろごろごろ……。

なぜこの終着駅はカーブしているんだろ? ホーム有効長をかせぐため?? なんて思いながら、この画面左手にのびる、金町栄通りに入っていくと……。

めちゃめちゃ激渋なスナック街を横目に、商店街を抜けていくと、なつかしい看板。

オロナミンCドリンクの「おいしいですよ!」でおじさん・おばさんたちはおなじみの、大村崑(おおむらこん)。

かつてはどこの街を歩いていても、この大村崑がいたのに、いまやこの手の看板がオークションに出回るほど。ここにある看板も、大切にそのまま、そのまま。

さらにすすむと「スピードドライセンタ」と記された、木造2階建ての古アパート。人が住んでいる気配はなく、ここだけ昭和の時間で止まってるかのよう。

―――日が暮れると、もう一回、金町駅へと戻る。そうすると、さっき通りかかったスナック街の看板が灯りはじめ、なんともいえぬ片道切符的な誘惑がそこに……。

◆線路がある限りなんでもやる!? 京成 引上線入線ツアーのスイッチバック芸が地味にすごい!
https://tetsudo-ch.com/12399847.html

◆駅前でザリガニ釣りもできる“小さな新幹線の駅” 東京23区内にある三線軌条
https://tetsudo-ch.com/12394578.html

◆環七通りで出会ったトラック輸送中 JR貨物コンテナの形式とゆくえ
https://tetsudo-ch.com/12392009.html