オリパラに向け60駅以上を整備・JR東日本

JR東日本が取り組んだオリパラ対応の駅整備事例。右上の外房線上総一ノ宮駅が最寄りの千葉県一宮町の釣ヶ埼海岸では、サーフィン競技が開かれました。待合室のいすは背もたれがサーフィンボードですね(画像:土木学会)

4件目の「東京2020大会成功に向けた安全・安心で快適な旅客駅整備」。2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックに向けた、JR東日本の快適な駅づくりの取り組みが評価されました。

JR東日本が整備対象としたのは、会場周辺駅が中央線(中央総武緩行線)信濃町、千駄ヶ谷、京葉線新木場、海浜幕張など全部で25駅。さらに東京、上野、秋葉原、新宿といったターミナル駅や乗換駅は、全部で60駅以上におよびます。このうち、バリアフリー設備を拡充したのは36駅、案内サインを整備したのは管内285駅に上りました。

私が注目したワンポイントは、有楽町駅の多目的トイレ。右利き用、左利き用の2つのタイプを整備したそうです。JR東日本の担当者は、「今回は、一般的な駅整備を超えてお客さまの声を聞き、地元の皆さんと話し合ったことが、土木技術者としてのレガシー(遺産)になった」とコメントしました。

シンガポール地下鉄の新線建設を受注・清水建設

ンガポール地下鉄トムソン・イーストコースト線。高速道路わきにシールドマシンの発進基地が設けられ、高速の下にトンネルを掘削しました(画像:土木学会)

海外鉄道プロジェクト唯一の技術賞受賞が、「シンガポール地下鉄トムソン・イーストコースト線」。清水建設が受注し、シンガポール政府陸上交通庁と共同で施工にあたります。建設中の路線は総延長43キロで31駅。受賞対象の工区は、2021年8月28日に開業しました。スペースの関係でポイントにとどめますが、建設線の約7割区間は地上を走る高速道路の直下に、シールドトンネルを掘削します。地盤改良とトンネル掘削を同時並行で進める工法は以降、シンガポールの標準工法になりました。地上には6車線の高速が走るため、地盤変異を常時モニタリングして安全確保に万全を期しました。

総事業費3065億円で整備新幹線などを建設

ラストは鉄道プロジェクトつながりで、JRTTの令和4年度の鉄道建設関係事業概要をご紹介します。事業費は3065億円で、前年度の5505億円に比べて2440億円の減。建設工事がヤマ場を越えた、北陸新幹線と西九州新幹線が大幅減額になったのが事業費減の主な理由です。

主な事業メニューは、①整備新幹線建設と整備新幹線建設推進高度化事業、②都市鉄道の利便増進事業、③青函トンネル機能保全・防災、④新線調査をはじめとする受託事業、⑤海外高速鉄道に関する業務――の5項目。整備新幹線は前年度より2460億円少ない2414億円、都市鉄道利便増進事業(神奈川東部方面線)は前年度比30億円減の300億円を計上しました。ここから未来の土木学会賞が生まれるかもですね。

記事:上里夏生