※2022年6月撮影

トップ画像は、2006年(平成19年)に欅造りで竣工した成田山新勝寺総門を門前広場から撮影しています。離れていても壮麗さに圧倒されます。

成田山新勝寺は、お正月の初詣、節分の豆まきなどテレビニュースで子供の頃から数限りなく眼にしてきた名刹です。しかし実際に訪れたのは今回が初めてでした。

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余談ですが、筆者は学生時代に戯曲『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』(清水邦夫/1975/新潮社)を読んで魅了されました。またその頃放映されていたNHK大河ドラマ『風と雲と虹と』(1976年)の主人公が平将門で好漢に描かれていたこともあって朝敵平将門に好感を持ちました。

その後江戸東京博物館の映像を作った際に平将門神霊が祭神に復帰した江戸総鎮守神田明神を取材。また今回の【駅ぶら】でも千葉氏に関係する城址や神社を訪問しました。千葉氏が祖先と仰いだのが平将門です。

筆者は神田明神は好きですが平将門神霊の信者ではありません。朝敵将門調伏のために造立された成田山新勝寺を参拝するのに何の不都合もありません。

・・・とは言え40年以上に渡って将門のささやかなファンだったこともあって、筆者は成田山のお不動様に何をお祈りすれば良いのか分からないのです。以上の個人的な事情をお酌みおきください。

境内に入ると石灯籠の奥に国の重要文化財に指定されている仁王門があります。

※2022年6月撮影

急な階段の上に1830年(天保元年)建立、入母屋造の仁王門があります。200年の歴史を感じながら階段を上りました。

※2022年6月撮影

こちらも国の重要文化財の釈迦堂。

※2022年6月撮影

説明板に拠れば「安政5年(1858)建立された前本堂。大本堂建立にあたり昭和39年この場所に移築されました。ご本尊は釈迦如来。〈中略〉屋根は入母屋造の瓦棒銅板葺、正面には千鳥破風や軒唐破風付の向拝を設け、荘重さを加えています。組物は、三手先を詰組とし、軒は二軒の繁垂木で総欅木を用いています。」

この壮麗な三重塔も国の重要文化財指定です。

※2022年6月撮影

眼にもあやな美しい装飾。成田山新勝寺のホームページに拠れば1712年(正徳2年)建立。「雲水紋の彫刻がほどこされた各層の垂木は一枚板で作られた珍しいもので、一枚垂木と呼ばれています。」

※2022年6月撮影

「鐘楼 宝永二年(1705)当山中興第一世照範上人によって建立された。楼上の梵鐘は大本堂建立を記念して鋳造したもの。香取正彦氏の設計鋳作になり、重量1068キロ。」と立札に書かれた鐘楼。左には一切経蔵(1722年享保7年建立)があります。

※2022年6月撮影

境内はとても広大です。右が大本堂。

※2022年6月撮影

私事ですが小学校2年生の時に世田谷区烏山の寺町に転居しました。関東大震災で下町にあった寺院が27も移ってきたエリアです。毎日眼にするお寺の屋根瓦の美しさに筆者は子供の頃から惹かれました。

成田山新勝寺修法道場の美しい瓦屋根です。

※2022年6月撮影

階段を下ります。開運無縁地蔵尊と石柱塔があります。

※2022年6月撮影

こちらが修法道場。

※2022年6月撮影

総門横のお土産店エリアを通ります。こちら側は静かでした。

※2022年6月撮影

この後もノンビリ表参道を上って京成成田駅に戻りました。次回は京成千葉線に乗ります。

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などは京成電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。