2022年9月5日、富山県は2024年に一般開放する「黒部ルート(通称)の名称を「黒部宇奈月キャニオンルート」に決定したと発表しました。

「黒部宇奈月キャニオンルート」は、黒部川第四発電所の建設などに伴い整備された約18キロの工事用ルートです。現在も発電所の保守や工事に使われており、関係者以外は立ち入ることができません。

富山県と関西電力は2018年に協定を結び、安全対策工事が完了したのち、本ルートを一般開放することとしました。開放のあかつきには黒部峡谷鉄道と立山黒部アルペンルートが結ばれることになります。

黒部宇奈月キャニオンルートの特徴は

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本ルートでは、蓄電池機関車やインクラインなどの乗り物で進みながら、地底に作られた多様な電源施設や設備、掘削時岩盤温度が160℃に達した高熱隧道など、電源開発の軌跡を間近で体験することができます。

また、荒々しい稜線が織りなす裏剱や仙人谷など、長く険しい道を辿った登山者など限られた人しか目にすることのできない黒部奥山の絶景も満喫できるようです。

新観光ルートの名称募集は2021年9月2日~10月31日にかけて行われ、7,049件の応募がありました。名称選定理由について、富山県は次のように述べています。

“北陸新幹線の駅名でも慣れ親しんだ「黒部宇奈月」をはじめ、県内外にも広く知られる「黒部」と、温泉地として有名で言葉の響きも良い、宇奈月温泉の「宇奈月」を名称にいれる案を数多くいただきました。また、多くの方から峡谷の意味を持つ「キャニオン」のついた名称案の応募もいただいたため、新観光ルートに相応しい名称(旅行商品名)として「黒部宇奈月キャニオンルート」に決定しました。”

公式サイトでは新ルートの歴史や詳しい説明ほか、新ルートをVRで体験できる動画なども公開されています。

(画像:富山県)

※2022年9月7日10時30分……記載内容を一部修正いたしました(鉄道チャンネル編集部)