近江鉄道と草津線が接続する貴生川駅から東へ7km。滋賀県 甲賀市(こうかし)土山町(つちやまちょう)。

いまこの土山地区にある小さな茶産地でつくられた、絶品ほうじ茶が注目を集めている。

それが、9月1日に販売開始した「土山一晩ほうじ」

滋賀県茶業会議所をはじめ、茶匠、土山地区の農家、滋賀県、甲賀市役所、JAこうからが結集し、4年の歳月をかけて開発した「土山一晩ほうじ」。9月1日に販売をスタートした。

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いま、日本茶好きやスイーツ好きが注目する、この「土山一晩ほうじ」のどこに魅力があるのか。東京・日本橋の滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」で開かれた説明会で、そのオンリーワンな味を体感した。

「華やかな香り」と「香ばしい焙煎香」のかけあわせが生む新感覚の香り

「土山一晩ほうじ」は、茶葉をひと晩寝かせる、萎凋(いちょう)という工程を経てできあがった唯一無二のほうじ茶。

摘み取った茶葉を風通しのよい場所などに放置し、葉を萎れさせて香りの発揚を促す萎凋という工程を経ることで、「華やかな香り」と「香ばしい焙煎香」のかけあわせが生む新感覚の香りが特徴。こだわりの製法で焙じた産地限定の逸品に。

忙しい仕事や家事の気分転換や食後のリラックスタイムなどにぴったりの、香り高いお茶として、いま注目を集めている。

甲賀市の新たな特産品として開発

滋賀県のお茶生産量約9割を担う茶産地の甲賀市は、「土山茶産地ブランドプロジェクト」を発足し、新たな特産品の開発に挑戦。

この開発には、滋賀県出身で数々のブランド開発を成功に導いたエイトブランディングデザイン 西澤明洋 代表も参画し、約4年の歳月をかけてようやくこだわりの逸品「土山一晩ほうじ」を誕生させた。

画像は、グリーンティ土山 竹田知裕 茶生産者、マルヨシ近江茶 吉永健治 代表(茶師十段)、甲賀市 岩永裕貴 市長、エイトブランディングデザイン 西澤明洋 代表。

花香(はなか)と呼ばれる独特の香りがオンリーワン

「土山一晩ほうじ」の名には、甲賀市の「土山地区で採れた茶葉(土山茶)を一晩寝かせてつくるほうじ茶」という意味が込められている。

山間部で寒暖差がはげしい土山は、茶葉の生育に時間はかかるが、それ故に味も香りも重厚なお茶に仕上がり、この気候によって味わいの深い、ほうじ茶に適した茶葉が誕生した。

「土山一晩ほうじ」の製法に加えられた「萎凋」とは、摘み取った茶葉を風通しのよい場所などに保管し、葉を萎れさせて微発酵を促す工程のこと。

この萎れる過程で、湿度や気温を見極め、一定時間ごとに攪拌(かくはん)させることで、均等に発酵を促すことが可能に。

茶葉が微発酵することで茶葉が本来持つ独特の香りが際立ち、華やかな花のような香りのお茶に仕上がる。

そんな「土山一晩ほうじ」は、一晩寝かせることで茶葉の微発酵を促し、茶葉は花香(はなか)と呼ばれる独特の香りをまとう―――。

厳格な「土山一晩ほうじ」規格、各社の個性的な味わいを楽しむ

また、次の3つの規格に準じたもののみ「土山一晩ほうじ」として販売することができる。

1. 土山産の茶葉を使うこと

2. 12時間以上萎凋させた香り高い茶葉を使うこと

3. 滋賀県茶商業協同組合員及び土山の生産者が焙煎したほうじ茶

こうした規格をクリアした「土山一晩ほうじ」のなかでも、各社の個性的な味わいが楽しめる点もポイント。

「土山一晩ほうじ」は各農家に同じ規格を共有した上で、萎凋や焙煎を重ねて製造することから、各社ごとに異なる味わいのオリジナル商品を楽しめるのも特徴。

各社の「土山一晩ほうじ」を飲み比べして、自分の一番を見つけて違いを楽しんでみて。

ちなみに、マルヨシ近江茶の土山一晩ほうじ「スフレケーキ」などとの相性も抜群。いまこそ、「土山一晩ほうじ」と滋賀県発の絶品スイーツとのマリアージュも楽しんでみて。

「土山一晩ほうじ」の詳細は、公式サイトをチェック↓↓↓
https://www.hitobanhouji.com/

滋賀県茶業会議所 岩永峯一 会頭理事「いままでにないお茶」

「土山は朝宮と共に滋賀を代表するお茶の産地で、歴史も深く土山一晩ほうじの香りと奥深い味わいには、脈々と受け継がれてきたお茶の栽培技術が凝縮されているように思います。

私は甲賀市に生まれ、子どものころからほうじ茶を毎日飲んでいますが、そんなわたしですら萎凋と焙煎の香りが特徴的な土山一晩ほうじは、いままでにないお茶だと感じました。

いま、土山は若い世代が中心となってお茶づくりをしています。彼らだからこそ、伝統に支えられた製法に新風を吹き込むことができたのだと感じています」(滋賀県茶業会議所 岩永峯一 会頭理事)

西澤明洋 代表「毎日飲みたいとても美味しいお茶がつくれた」

「東京でブランディングを専門とするデザイン会社を創業し、これまでに全国のさまざまなブランド開発のお手伝いをしてきましたが、実は故郷の滋賀県の仕事は、はじめてになります。

岩永会頭筆頭に、若い茶農家や茶匠のみなさんといっしょに4年がかりでつくってきた「土山一晩ほうじ」。ぼくは、毎日飲みたいとても美味しいお茶がつくれたと思っています。みなさん、ぜひ味見してみてください」(エイトブランディングデザイン 西澤明洋 代表)

甲賀市 岩永裕貴 市長「お茶がもたらす豊かさを」

「土山茶は甲賀市の誇りであり、次の時代に引き継いでいくべき大切な財産です。誰かと話すとき、本を読むとき、ものづくりをするとき、お茶がそばにあるだけで、ゆっくり、じっくり向き合うことができます。

甲賀市で生まれ育ったわたしは、そんな時間をもつことの大切さを自然とお茶から教わりました。

土山一晩ほうじという新たな地域ブランドが、土山茶の次世代の担い手の育成につながると同時に、お茶がもたらす豊かさをたくさんの人に伝えてくれることを願っています。

わたしは昔から、ほうじ茶で炊いた茶粥が好物。ぜひ土山一晩ほうじと近江米で茶粥をつくりたいですね」(甲賀市 岩永裕貴 市長)

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