エンドロールの「撮影協力・相模鉄道」が勲章

最後は相鉄のロケ隊誘致。本サイトをご覧の皆さんには、いずみ野線に乗ったことはなくても、映画やテレビで駅や電車を見たことのある方がいらっしゃるかもしれません。相鉄グループのロケーションガイドを見れば、撮影作品リストには、映画の「ストロボ・エッジ」やテレビドラマの「義母と娘のブルース」などが並びます。

相鉄のロケツーリズム、モットーは「映画、ドラマ、CMロケなど、さまざまなニーズへの対応」。映画のエンドロールに流れる「撮影協力・相模鉄道」のテロップは、相鉄関係者の勲章です。相鉄は撮影のつど蓄積したノウハウを集約してマニュアル化しました。

撮影規定には注意書きが示されますが、ほとんどは常識的なこと。撮影可能駅は、いずみ野線南万騎が原―湘南台間の7駅。本線に比べ、いずみ野線は混雑も少なく撮影に好適です。

左から撮る、それとも右から……

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一般的な撮影スケジュールはこんな様子です。AD(アシスタントディレクター)が、撮影場所を訪れロケハンします。一部の作品はエキストラを乗せた臨時電車を走らせることもありますが、通常は営業列車最後部の一両を貸し切りにして撮影します。

制作側は車両にもこだわります。とはいえ「○○系」で形式を指定してくるマニアックな監督は、さすがにいません。リクエストの典型は「パーテーションの低い見通しの利く車両で」。なるほど、見通しの利く車両だとストーリーが広がる気もします。唯一、細かい注文が入るのは、CSなどの鉄道番組。視聴者が鉄道ファンだと、制作側も細部にこだわらねばなりません。

相鉄いずみ野線の紹介は以上。いずみ野線には、「特別なものがあるわけではないが、快適に利用できるニュータウン鉄道」の印象を持ちました。沿線にはこども自然公園やミニ牧場があるので、秋の一日を沿線めぐりで過ごしてはいかがでしょうか。

記事:上里夏生