東京駅で新幹線や在来線から乗り換える

ここから、事業計画案をもとに臨海地下鉄線のルートや接続路線をご案内します。駅名は最初に紹介した通りすべて仮称。ルートは変更の可能性もあります。

臨海地下鉄線の想定ルートと想定の駅位置(資料:東京都の事業計画案)

起点の東京駅はJR東京駅北東側に設けられます。次駅の新銀座までは、JR山手線に並行。新銀座からほぼ直角に向きを変え、南東方向の臨海部に向かいます。

事業計画案では、東京は同名の東京(駅)のほか、三越前、日本橋、大手町の地下鉄4駅に連絡。新幹線やJR在来線のほか、東京メトロ、都営地下鉄各線と接続します。

2駅目の新銀座は有楽町、東京、銀座一丁目、東銀座の4駅に連絡します。3駅目の新築地は事業計画案に記載はありませんが、メトロ日比谷線築地駅に連絡できそうです。

4駅目の勝どきは、都営地下鉄大江戸線との乗り換え駅。大江戸線の利便性向上が明記されます。5駅目の晴海は接続路線はありませんが、「鉄道空白地帯解消」の効果を強調。一部マスコミでは、地域住民から〝陸の孤島返上〟への期待が示されました。

晴海には東京オリンピック・パラリンピック選手村があり、「晴海フラッグ」のネーミングで分譲・賃貸マンションや商業施設に整備、人口1万2000人規模の新しい街が誕生します。臨海地下鉄線は、晴海フラッグの主要アクセス手段になります。

東京の未来を象徴する選手村跡地の「晴海フラッグ」。現在は都心の虎ノ門ヒルズとの間にバス高速輸送システム・BRTTが運行されます(写真:Jake55 / PIXTA)

オリパラのレガシーを未来につなぐ鉄道

先を急ぎましょう。6駅目の豊洲市場は都民の食卓を支える豊洲市場のほか、2022年4月には大型複合施設「ミチノテラス豊洲」が街開き、今後の発展が約束されます。事業計画案に記載はありませんが、豊洲市場にはゆりかもめの駅があります

終着駅は有明・東京ビッグサイト。近隣にゆりかもめの東京ビックサイト駅、東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅があります。

ビッグサイトでは、多くの展示・商談会や見本市が開かれます。周辺では、オリパラのレガシー(遺産)を未来につなぐ有明レガシーエリアや有明ガーデンなどの街づくりが進みます。

駅間距離は、最長の新銀座―新築地間が1.6キロで、他の5区間は0.6キロ~1.1キロ。晴海を除いて鉄道空白地帯はありませんが、周辺住民にとって、東京駅まで乗り換えなしで出られるのは朗報でしょう。

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