3次元データで名車を後世に

こうして鉄道の利用促進や地域振興に貢献してきたキハ28ですが、やはり半世紀以上前の鉄道車両とあって老朽化には勝てません。

特に、問題なのが2023年2月に迫る全般検査。自動車の車検に当たる全検では機器の交換や修繕が必要で、概算費用は1億円以上。いすみ鉄道は「運行を続けたいのは当然ですが、資金面を考えると難しい」とします。

ここからは本サイトでも紹介された、キハ28の保存プロジェクト。現車のほか車両を詳細な3Dデータで記録します。一部費用は、クラウドファンディングで調達します。

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3Dデータは、ミリ単位で正確なサイズを計測できるレーザースキャンで、まるごと3次元データとして記録します。建築物ではいくつかの事例があるようですが、鉄道車両ではファンによる個人レベルを除けば初めてとされます。

興味ある方は、本サイトの紹介記事、そしてクラファンサイト「うぶごえ」をぜひチェックしてみてください。終了は2023年1月15日23時59分。「いすみ鉄道『キハ28ー2346号車』保存プロジェクト」は目標280万円のところ本コラム執筆時点で181万5653円の支援が寄せられています。

定期運行最終日は、大多喜駅や国吉駅でお別れイベント。2023年1月ごろまでイベントや特別列車で運行された後、完全引退する予定です。

いすみ鉄道へのアクセスは、JR外房線大原または小湊鐵道上総中野から。〝裏技〟では、JR東京駅と大多喜を結ぶ高速バスも運行されています。

記事:上里夏生

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