明治のSL、デラックスロマンスカー……往年の名車を東武博物館で見る【コラム】
ツアー客は鉄道ファンばかりじゃない

話をクラツーのツアーに戻して、およそ20人の参加者から何人かに話を聞きました。7月のメトロ、岩倉高は夏休みのファミリーがほとんどでしたが、今回は平日開催とあって中心はシニアでした。
鉄道ツアーといえば、参加するのは鉄道ファンと反射的に思ってしまいますが、それは大きな誤解。実際は、「東京の下町をもっとよく知りたい」と考える旅のベテランが目立ち、女性グループも複数見かけました。
「駅の宿に泊まりたい」
話を聞かせてくれたのは、東武沿線に暮らす80歳代の母親と50歳代の息子さんの親子。お2人の仲の良さが分かります。
息子さんは根っからの鉄道ファン。東武博物館には何回も足を運んでいますが、一度説明を聞きたいと母親を誘いました。息子さんに「次はどんなツアーに参加したいですか」と質問すると、「比羅夫駅に宿泊するツアー」と即答。
函館線比羅夫駅は民宿「駅の宿ひらふ」のある駅として知られます。本サイトでも紹介させていただきましたが、函館線の通称・山線(長万部―小樽間)は北海道新幹線の開業時、バス転換される方針が2022年3月末に決まりました。まだ相当先ですが、どこかの旅行会社が夢をかなえてくれることを期待しましょう。
浅草駅探検ツアーの1回目、東武博物館貸切見学は以上。後編では、浅草駅や東京スカイツリータウンの歴史、そして鉄道ツアーでヒットを当てる台東区の観光振興策をまとめます。ぜひご覧ください。
東武博物館の開館時間は10時~16時30分で、休館日は毎週月曜日(月曜日が祝日や振替休日の場合は、その翌日)と年末年始の12月29日~1月3日です。2022年12月20日から2023年2月24日まで、「鉄道写真詩コンテスト2022」入賞・入選作品典が開かれます。
記事:上里夏生(写真は全て筆者撮影)