松屋浅草屋上のビューポイント

浅草駅今昔。周囲の建物は変わっていますが、駅ビル自体の風格は完全に開業時のままです。現在の浅草駅(上)は筆者撮影、開業時の写真(下)は浅草松屋提供

ツアー参加者が浅草に到着して、案内されたのは浅草駅……ではなく、駅ビル8階の松屋浅草屋上です。愛称名は「駅見世小路 浅草ハレテラス」。私が知らなかっただけかもしれませんが、屋上からは浅草駅を発車する(浅草駅に到着する)東武の列車と、スカイツリーが1枚の写真に収められます。

屋上は誰でも上がれるので東武ファンの皆さん、一度上がってみてはいかがでしょうか。ただし列車は超遠望。豆粒のようにしか見えませんが、それでも鉄道写真コンテストに入賞するような、「列車のある風景」が誰にでも撮影できます。

松屋浅草屋上からの東京スカイツリーと隅田川橋りょうの遠望。ご覧のように列車はわずかに見えるだけです(筆者撮影)

エンパイアステートビルと同じ建築様式

ここで浅草駅の簡単なプロフィール。開業は最初に書いたように1931年ですが、その4年前の1927年に東京地下鉄道が開業していました。地下鉄道は今の東京メトロ銀座線。浅草では東武よりメトロが先輩です。

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駅(駅ビル)の建築様式はアール・デコ。1920~1930年代にアメリカやヨーロッパで流行した美術様式で、建築物で一番有名なのは、ニューヨークのエンパイアステートビル。浅草駅も同様の風格が感じられます。

東武は、2012年のスカイツリータウン開業にあわせて駅をリニューアル。この時に屋上の大時計が復活しました。

松屋浅草屋上を降りて、〝駅の表裏〟を探訪したのですが、世界遺産・日光に向かう鉄道の始発駅で国賓の利用も多い浅草駅、セキュリティー上の理由から詳しく紹介できない点をお詫びします。

ツアー参加者は、駅員の仕事体験としてハンドマイクを握り、降車客へのアナウンスなどに挑戦しました。