丹鉄の列車から自動運転EVに乗り換え

ここでもう一度、今回のEV運行方法を振り返ります。WILLERは前半で紹介したように、近隣ショップで使える割引券をセットして、模擬ツアー化しました。

割引券でEV乗車に付加価値を付ける手法は将来、丹鉄沿線でEVを走らせる際も十分に応用できるはず。全くの想像ですが、天橋立駅(京都府宮津市)で観光列車を降りたら、駅前で待っている自動運転EVに乗り換え。天橋立を南から北へ、行きはEV、帰りは観光船かレンタサイクルと移動手段に変化が付けば、丹鉄の旅もいっそう魅力的に光り輝くでしょう。

これらを総合すれば、自動運転のEVは丹鉄をはじめとする地方鉄道にとって、優良なパートナーになる可能性大のはずです。

ADVERTISEMENT

お台場でのデモは2月6日までで、残念ながら既に予約でいっぱい。WILLERは中部圏や関西方面でもEVをデモ運行しているので、興味ある方はホームページをチェックしてみてください。

大阪・関西万博で自動運転バスをデモ

2022年5月に大阪市で開かれた「鉄道技術展・大阪」でデモンストレーションされたOsaka Metroの「ARMA」(筆者撮影)

最後に、もうワンポイント。WILLERと同じBOLDLYをパートナーに、NAVYAの「ARMA」を実証運行するのがOsaka Metroです。

大阪市交通局の民営化で2018年に誕生したOsaka Metroは、本サイトでも紹介させていただきましたが、2025年4~10月、大阪港の人工島・夢洲(ゆめしま)で開かれる「大阪・関西万博」で自動運転バスを走らせて、日本の技術力をアピールする構想です。

Osaka Metroが受け持つのは、参加企業をまとめる役割。NTTドコモ、凸版印刷、日本信号、パナソニックなどパートナー10社の代表企業として、自動運転システムの開発をリードします。2022年12月1日~2023年1月31日の実証実験では、大阪市此花区の舞洲(まいしま)のテストコースで、万博来場者の利用を想定した走行テストに取り組みました。

記事:上里夏生