あまり鉄道とは関係のない話題なのでニュースやコラム記事として配信するのもどうか、というわけで久々にスタッフブログを更新します。今回は「サバ」の話です。

サバ、食べてますか?

中の人はしめ鯖や鯖寿司が好きなので、北陸新幹線関係の取材に行ったときは必ず「焼き鯖寿司」をお土産に買って帰ります。駅弁にもありますね。これを特急サンダーバードの車内でいただくのは鉄道人らしい文化的行動とされている……かどうかは知りませんが、私は好きです。

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サバは基本的には生では食べないお魚です。理由は簡単で、アニサキス(寄生虫)がいるからですね。食酢で処理しても死なないのでしめ鯖なら安心ということもなく、飲食で提供する際はマイナス20度で24時間以上冷凍したものを使ったり、焼いてアニサキスを処理したりすることで安全性を保っています。

ところが。

九州、とりわけ福岡には、サバを生でを食べる文化があります。

なぜ生サバを平気で食べられるのか。実はアニサキスに負けないレベルで博多人の内臓が強いとか?いやさすがにそんなご当地ギャグマンガ的なことはなかろう……と思って調べてみると、どうも太平洋側とはアニサキスの種類が異なっているというのが正解の模様。

太平洋側のサバに主に寄生するのは「アニサキス・シンプレックス」といい、こちらは寄生先の魚介類が死ぬと内臓から筋肉に移動するタイプです。だから何も処理せずに身を食べると食中毒になる可能性が高い。

一方、日本海側のサバに主に寄生するのは「アニサキス・ピグレフィー」という種類で、こちらは寄生先の魚介類が死んでも内臓に留まることが多いようです。

つまり、内臓を取り除いてしまえば刺身で食べても(基本的には)大丈夫。もちろん、危険性をゼロパーセントにできるものではありませんが、そうした好条件にさらに企業努力を重ねることで、美味しい生サバが食べられる環境を整えているのです。

中の人は今までサバを生でいただいたことはなかったのですが、先日「鉄道チャンネル」から派生したトレンドメディア「tokyo chips」の取材で美味しいごまサバをいただき、その鮮度と味わいに「九州のメシは美味ぇなぁ!」と再確認したのでした。お店にはJR九州の「ななつ星 in 九州」に採用された蔵元の麦焼酎も置いてあったので、観光列車のファンにもおススメできるかもしれません。

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中の人的にはJR九州関係の取材で写真家の村上さんや福島さんに博多の「牧のうどん」へ連れて行ってもらったことが印象に残っているのですが、思い返せば九州は何をいただいても美味いイメージがありますね。熊本で食べた馬刺しや有明海のシャクの天ぷら、別府でいただいた豊後牛のステーキ、博多のもつ鍋や水炊き、長崎の五島うどんにレモンステーキ、宮崎のチキン南蛮……もちろん観光列車の飯も全くハズレがない。いいところです。

中の人は佐賀と鹿児島の美味いものはあまり知らないので、これ絶対食うべきですよってのがあったら「鉄道チャンネル」のお問い合わせTwitterで教えていただけたら嬉しいです。

実はJR西日本グループも「サバ」を養殖している

鉄道とサバ、しかも「生でいただける」サバといえば、JR西日本グループが陸上養殖で育てているという「お嬢サバ」にも実は密かに注目しています。

鉄道事業者がサバの陸上養殖を行うのは、鳥取県の新たな地域産品を作るため。2015年からJR西日本と鳥取県はマサバの共同研究を始め、2017年から養殖を開始しています。

公式の説明によると、「お嬢サバ」は地下海水を使って陸上養殖をしているため、アニサキスが付きにくく、白子や真子、肝なども生で食べられるそう。約一年間綺麗な水で大事に育てたサバの美味いところ……そんなんポン酢で食ったら絶対美味いでしょ……という気持ちにさせられますね。

https://www.westjr.co.jp/life/profish/ojou-saba.html#

名前の由来は「虫が付かないように」大切に育てられるプロセスが「箱入り娘」を連想させるから、らしいです。ちなみに「お嬢サバ」のほかにも、JR西日本グループは様々な魚介類の陸上養殖を行っています(詳しくは「PROFISH」で検索)。

広島「オイスターぼんぼん」(牡蠣)
広島「とれ海老やん」(クルマエビ)
富山「べっ嬪さくらます うらら」(サクラマス)
山口「大吟雅とらふく」(トラフグ)
鳥取「白雪ひらめ」(ヒラメ)
鳥取「クラウンサーモン」(国産生サーモン)

どれも美味しそうだなとは思うのですが、レアなのでなかなか食べる機会がなく……いずれ都内で報道機関向けの試食会とかやってくれないもんでしょうか、と虎視眈々と狙っているのでした。