東西にのびる中国山脈を堺に北は鳥取・島根、南は岡山・広島。その鳥取と岡山の県境にある、発酵食文化が根づいた街が―――岡山県 真庭市。

ここ岡山県 真庭市は、国内でも珍しい気候風土から、発酵食文化が育まれ、旨い酒やワイン、ビール、味噌(みそ)、チーズなどのプロ中のプロが集まる地として世界から注目が集まっている。

真庭市にある「国内でも珍しい気候風土」というのは、鳥取の大山(だいせん)や蒜山(ひるぜん)高原から雪どけした美しい軟水の旭川(画像)と、鍾乳石から滴る中硬水の備中川と、両方が流れている点。

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この軟水と硬水が交わる珍しい地域で、発酵食などの食文化が育まれ、さらに出雲街道の宿場町として栄え始めると、ここ真庭に酒蔵や醤油蔵など、醸造に関わる発酵文化が花開く―――。

そんな真庭の発酵食文化を体感したいと思っているグルメ通は、いまだけ、悩ましい(泣)。なぜかというと↓↓↓

東京 とっとり・おかやま新橋館で「発酵ずフェア」3/15~3/30開催

そう。東京・新橋駅前にある鳥取県・岡山県 アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」で、3月15~30日の2週間、岡山県真庭市の発酵食文化を体感できる「発酵ずフェア」が開催されるから。

現地に行って体感するか、とりあえず新橋駅まで“真庭の発酵グルメ”で現地の絶品を想像かきたてるか……悩ましい。

ってことで今回、岡山県真庭市で河野酢味噌製造工場を営む河野尚基 5代目もプッシュする、「発酵ずフェア」の注目メニューをチェックしていこう↓↓↓

御前酒蔵元 辻本店しょうゆ麹で、和牛のたたき

御前酒蔵元 辻本店しょうゆ麹に鏡野産の姫とうがらしを添えてピリッと辛みのある調味料を和牛のたたきに合わせてみました。

大根おろしと絡めていただけば、辛みと肉の旨味のハーモニーが……。しょうゆ麹の自然の甘みもほのかに感じる、逸品。

河野酢味噌製造工場のひしおみそをソースに使った和牛の味噌バーガー

河野酢味噌製造工場のひしおみそをソースに使った和牛の味噌バーガー。

創業より伝えられる製法に加え、低農薬栽培の秋ナスと大根をふんだんに使い、生醤油で仕込みを行った、一切の食塩水を加えない濃潤な味わいのおかず味噌。

和牛の旨味と優しい味噌の風味のコラボレーションを、ぜひ。

河野酢味噌製造工場の純米酢を使った海鮮巻き

河野酢味噌製造工場が1年3か月かけて仕上げる紅酢の純米酢を使用。海鮮巻き具材との相性もばっちりな酢飯に仕上がった逸品。

具材は岡山の海産物を中心にぐるっと巻いている。

河野酢味噌製造工場のゆず麹ディップ

河野酢味噌製造工場のゆず麹を使った野菜ディップも、うまい!

野菜の甘さが引き立ち、ビールや日本酒、ワインにもあうこと間違いなし。

御前酒蔵元 辻本店 の 御前酒 純米 美作と、蒜山ワイン 三座 赤

そして、太田和彦ふうに、さらっといいたい。「さあ酒だ!」。

御前酒蔵元 辻本店 の 御前酒 純米 美作(みまさか)は、立ち上る香りは穏やか。雄町米が持つ旨み、味わいの広がりが楽しめる。

冷やすとさらさらした喉越しですっきり、さっぱりするのに対し、ぬるめにお燗すると味わい深く実にしみじみとした味に変化するところが特長。

蒜山ワイン 三座は、ヤマブドウ×カベルネ・ソーヴィニョンの交雑から生まれたヤマ・ソービニオンを主体にヤマブドウをブレンド。

熟したブラックベリーのアロマにシナモンやチョコ、バニラのような樽香が加わり、甘い香りなのに酸味がきれいにのって、タンニンはしっかりありながらもほどよく、バランス感に優れた味わい。

お肉料理とのマリアージュがおすすめというから、ここで和牛のたたきといっしょに……。

岡山県真庭市発「まにわ発酵’s」にいまこそ注目!

いま、岡山県真庭市の発酵食文化を体感するなら、「まにわ発酵’s」が発信する最新情報に注目だ。

「まにわ発酵’s」がめざすものはなにか。岡山県真庭市で河野酢味噌製造工場を営む河野尚基 5代目が伝えるこのことばが、「真庭に行って、その真髄をたしかめてみたい」と思ってしまう。

―――「まにわ発酵’s」は2012年、発酵に魅せられた真庭の酒蔵や企業、工房が集まり 同じ「発酵」でも真庭には多ジャシルの発酵があることに気づき、結成。

日本酒や醤油などの歴史ある醸造所から、クラフトビール、ワイン、蒜山ジャージー牛を使ったチーズ。和洋さまざまな発酵文化を持つ者たちが集まっている。

数々の受賞歴をはじめ、全員がその業界で一目置かれる存在でありながら、なおも発酵に対して妥協を許さない。

だからこそ通じ合い、「まにわ発酵’s」を通してさらなる高みを目指している。

一世代前ではタブーだった互いの酒蔵や手法を公開し、ほとんど前例のない、軟水と硬水の違いを生かした共同醸造も、さらなる高みを目指すた め。

「まにわ発酵’s」というつながりがいま、真庭の食文化を発信し、国内外から注目を集めている―――。

「五感で真庭の発酵食文化を感じてほしい」

「五感で真庭の発酵食文化を感じてほしい」―――そう河野尚基 5代目が伝える真庭に、めっちゃ行きたくなってきた。

―――最初の大学、島根大学にいた時代を思い出す。東京の大学に戻るまで、島大の仲間と宍道湖でずっとウィンドサーフィンにはまり、理学部数学科で戦力外通告を渡され、いまここにいる。

そのころ、クルマや高速バスで松江と大阪・東京を行き来するとなると、国道181号(いいパイ)を伝って中国自動車道を結んでいた。

そう。米子道(中国横断自動車道岡山米子線)がなかった時代だった。そしてこの国道181号が、出雲街道。

当時、美作や真庭の、体感すべき風土をスルーしていたからこそ、いまこそゆっくり、これまで知らなかった出雲街道沿いにある、岡山の美酒と絶景と匠の技がある街の魅惑を、全身で体感したい。

そう思ったら、もう岡山県真庭市へのアクセスを調べてる自分がいる―――。