神奈川県相模原市。JR横浜線 矢部駅から徒歩4分のゆとりある敷地で、獣医 動物 健康 食 環境の最先端をひとつのキャンパスでじっくり学べる場―――麻布大学。

この麻布大学で、多様性(Diversity)・公平性(Equity)・包括性(Inclusion)を推し進めるDEI推進センター(Center for Diversity, Equity & Inclusion)が本格始動。

ライフイベントやワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境の改善をはじめ、それに向けた学内の意識改革を図り、女性研究者の裾野拡大、研究力向上など、総合的な支援事業を展開し、麻布大学で働く・学ぶすべての人がその能力を十分に発揮できる環境の実現をめざしていく。

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「女性研究者の活躍促進をはじめとするDEI推進にむけた取り組みを総合的に遂行していく」というDEI推進センターでは、2027年度までに女性研究者採用比率30%、指導的地位(教授職)の女性研究者在職率を26%をめざす。

このDEI推進センター(令和4年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特性対応型)に採択)をセンター長としてけん引するのが、獣医学部動物応用科学科 永澤美保 准教授。

永澤センター長に、獣医・畜産系の大学事情、進路、求められているニーズ、直近の取り組み、今後の展望などを聞いた。

「多様性を受け入れながらやりたいことを実現していく」

「麻布大学は、学部生の半分以上が女子学生なのに、教員をみると女性が少ないんですね。『動物と人間の共生』を学ぶ場なので、女性が入りやすい分野でもあるのに。

獣医学科では、国家資格を取得したら臨床(医療現場や動物病院)分野にすすむ人がほとんどで、研究職にあまり残らない。また社会人においても、畜産や獣医といった分野はいまも実は男性社会かもしれませんね。

麻布大学の女子学生も多くが、獣医師や国家公務員、バイオ技術者、食品衛生管理者、薬事監視員などの分野へ、就職していきます。研究者をめざす人は、ほとんどいないのが現状です。

いま、学び直し(リスキリング)や、働きながら大学へ通うといったニーズがあるなか、大学が求められているのは、みんなが柔軟に動きながら、多様性を受け入れながらやりたいことを実現することにある。

まさに多様性(Diversity)・公平性(Equity)・包括性(Inclusion)の DEI を整えることが大事なんですね」と永澤センター長は語る。

麻布大学は、多様性・公平性・包括性の観点から、女性研究者・女子学生一人ひとりが活躍、チャレンジできるような機会を得られる環境づくりに取り組んでいく方針だ。

「わたし自身も麻布大学に編入学した身」

―――そして永澤DEI推進センター長は、今後のDEI推進にむけた取り組みの具体例を「ゆるーく」というキーワードを含めて、こう教えてくれた。

「たとえば、いったん社会人になって『学んでみたい』『学びなおしてみたい』と思った人を柔軟に受け入れられる体制や仕組みもつくっていきたいですね。

まずは女性活躍推進をDEI推進センターで始めて、さらに目指していくのは、誰もが学び、働きやすい環境づくりです。

実はわたし自身が、早稲田大を卒業してエンタメ業界などで仕事を経験し、そこで動物介在介入を知ったことをきっかけに、動物について学ぶために麻布大学動物応用科学科に2002年に社会人から編入学した身ですから、そういう流れをもっと受け入れられるような、ゆるーい仕組みがあればいいですよね」

―――いっぽうで、女性研究者採用比率30%、女性研究者在職率を24%といった目標にむけては、こんな思いも。

「女性研究者が麻布大学内で共同研究できるような環境づくりも支援していきたい。女性はとかく出産や子育てといったライフイベントに費やす時間が左右されちゃいますよね。

そこを共同研究という構成にして、出産や育児の期間はほかの研究者に任せて、再び復帰したら自分もそのフェーズから研究に参画できるような環境も整えたいと思っています」

―――麻布大学DEI推進センターは今後、研究者が能力を発揮し、効果的かつ効率的に教育・研究を行える環境を確立すべく、スタート時は3つの支援を展開していく。

麻布大学DEI推進センターが展開する3つの支援

◆出産・育児・介護支援―――ライフイベント(出産・育児・介護)にさいしての研究継続、研究への復帰、キャリア継続を図れるように、さまざまな支援を通じて取り組んでいく。

◆女性研究者支援―――女性研究者を代表者とする学内共同研究のための研究費の拡充、研究者がライフステージに合わせてメンターを選べる選択的メンター制度を通じて支援していく。

◆女子学生キャリア支援―――女子学生へのキャリア開発教育と多様なロールモデルの提示、博士課程フェローシップの設立を通じ、未来の女性研究者の育成のためにキャリア支援を実施していく。

「教員同士がつながりあって、気楽に情報共有できる場をつくりたい」

―――いっぽう、「大学教員のつながり」についても、永澤DEI推進センター長はアップデートさせる思いがある。

「いまもむかしも大学って、教員が孤立しがちなんですよね。研究室に閉じこもってもくもくと自分の専門を追求するという場がいまも変わらずある。

そこを、教員同士がつながりあって、気楽に情報共有できる場をつくりたい。自分たちの研究成果を互いに報告し合ったり、助けたりフォローしたりするきっかけになる場を。ゆるくつながる機会をつくっていきたいですね。

かしこまった制度やルールづくりではなく、ゆるーく学内ネットワークをつなげていきたい。実は研究者って、対応する幅の広さが要るんですね。

ひとりで閉じこもって研究に専念するんじゃなくて、ある意味、研究分野の分業・分担で、共同研究していくほうがいいんじゃないかと。せっかく、獣医・動物・健康・食・環境と、密接にかかわる研究分野が横並びで存在している大学ですから」

―――麻布大学DEI推進センターでは、教員と事務職員で組織する、広報・環境整備・地域連携・研究支援・次世代育成という5つのワーキンググループと連携し、共同することでDEIを推進していく。

◆麻布大学 DEI推進センター
https://dei.azabu-u.ac.jp/

獣医 動物 健康 食 環境の “いま” がひとつのキャンパスにギュッと!

ここであらためて、麻布大学について。

麻布大学は、1890年に東京獣医講習所として東京市麻布区に創設。1950年に麻布獣医科大学として開学したのがルーツ。「獣医」「動物」「健康」「食物」「環境」という5つの視点から“地球と共に生きる未来”を描ける人材を育成。他の大学にはない個性と強みがいろいろあるということで、国内外・企業・受験生から注目を集めている。

「獣医になりたい!」「動物医療・動物科学のスペシャリストになる!」という人がめざす獣医学部と、「動物や生物、自然環境、生き物のあらゆる分野を深く学びたい!」「医療、食、環境のスペシャリストになる!」という人が集まる生命・環境科学部の2学部がある。

獣医学部には、獣医学科と動物応用科学科の2学科、生命・環境科学部には臨床検査技術学科・食品生命科学科・環境科学科の3学科がある。さらに2024年4月には、獣医学部 獣医保健看護学科(仮称)の設置を構想中だから、その最新情報などについては、公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.azabu-vn.com/

キャンパスはJR横浜線 矢部駅から歩いて4分というアクセスしやすい駅近の地、神奈川県相模原市の1キャンパスには、牛や馬、犬などさまざまな動物が多数飼育されていて「関東でこんなに数多くの種類の動物がいる大学は麻布大学だけ」ともいわれている。

◆麻布大学 学部・学科紹介
https://www.azabu-u.ac.jp/academic_graduate/

麻布大学だけにある「1年次から研究室に入れるチャンス」

麻布大学は、1年次の後期から大学研究室に入って、「本物の研究」にチャレンジできる制度「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」がある。

このチャンスをつかむと「自分の専門をさらに深く掘り下げる力=コア力」「自分の専門性を広く生かすための力=広範展開力」「現場で役立つ力=実践力」の3つの力が身につくという。

気になる人は公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.azabu-u.ac.jp/about/program/derukui/post_24.html

麻布出る杭プログラム特設サイトは、こちら↓↓↓
https://www.azabuderukui.info/