5月20日に27年ぶりの運賃値上げ(JR四国)

JR四国の2023年度事業計画は、グループ全体の「JR四国グループ事業計画2023」と、単体(JR四国単独)の「2023年度事業計画」の2本立て。鉄道部門の目標は「鉄道事業における収益拡大施策の推進」です。

JR四国は2023年5月20日、運賃を値上げ(旅客運賃の上限変更)しました。運賃改定は、消費税率引き上げに伴う運賃見直しを除けば1996年1月以来27年ぶり。改定率は定期外、定期、料金の全体で約13%。およそ20億円の収支改善を見込みます。

西牧世博社長は2023年3月31日の会見で、「運賃改定が認められたのは2022年度の大きな成果だ(大意)」と述べました。

四国新幹線を核にした公共交通の維持・再生策を検討

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JR四国が車輌関係で2023年度に取り組むのは、老朽度や耐用年数を考慮した的確な更新。①特急電車とローカル気動車のリニューアル、②各種電子機器更新、③ワンマン運転拡大のための車両改造、④新型ローカル気動車の国際調達準備ーーの4項目を実施します。

リニューアルする特急電車は、1992年にデビューした8000系。電子機器などの更新とともに、客室設備で座席の交換やコンセントの増設を予定します。

8000系リニューアルデザインイメージ(画像:JR四国)

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四国全体で待望論が高まる四国新幹線については、2017~2019年に有識者や四国四県、地元経済界などとともに設置した「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会Ⅱ」の中間整理(2019年10月公表)を踏まえ、将来的な四国新幹線の整備を前提にした公共交通の維持・再生策を検討します。

日田彦山線をBRTで復旧(JR九州)

2016年の株式上場で純民間会社になったJR九州は、今のところ事業計画などの発表はありません。古宮洋二社長は2023年4月3日の社内向け訓示で、「3カ年中期経営計画の2年目に当たる2023年度は、JR九州グループが将来に向けて夢を描く、極めて重要な年だ」と強調しました。

本年度の重点施策では、2022年9月23日の開業から半年を経過した西九州新幹線(武雄温泉―長崎間)の開業効果維持・拡大、2017年7月の豪雨で被災した、福岡、大分の両県にまたがる日田彦山線添田―夜明間のBRT(バス高速輸送システム)による今夏の復旧などを掲げます。

記事:上里夏生