本物そっくりの7500形ミニ電車が子どもたちを乗せた客車をけん引

新型コロナによる行動制限が解除された2023年のゴールデンウィーク。鉄道会社の催しも復活・開催が相次いだ。その中から千葉県で開かれたイベントの一コマ――。

京成グループの北総鉄道が主催する、ファン感謝イベント「ほくそう春まつり2023」が2023年4月30日に千葉県印西市内で開かれ、数多くの鉄道ファンやファミリー客が来場した。

京成高砂と成田空港を結ぶ成田スカイアクセス線(通称)のうち、主要区間の京成高砂―印旛日本医大間(32.3キロ。第三セクターの千葉ニュータウン鉄道が施設を持つ小室―印旛日本医大間を含む)を運営するのが北総鉄道。会社設立は1972年5月で、2022年に創立50周年を迎えた。

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沿線に広がる、千葉ニュータウンの開発が予定通り進まなかったことなどで、長く厳しい経営環境下に置かれたが、上野(日暮里)と成田空港を結ぶアクセスルートになったことで経営は好転。2022年10月1日から運賃を全体平均15.4%引き下げ、値上げラッシュの世相に大きなインパクトを与え、社会的にも注目を集めた。

ひときわ目を引いた京成「スカイライナー」の先頭部モデル

北総鉄道は、1996年から「春まつり」を定例開催してきたが、2018年を最後に休止。今回は「運賃値下げを好機として、地域の皆さんの鉄道への関心を高める」(同社企画室)を狙いに、5年ぶりで春のイベントを開催した。

イベント会場は、千葉ニュータウン中央駅近隣の大型ショッピングモールの駐車場。一角にステージを組み、人気お笑いコンビのテツandトモのほか、ものまね芸人やアイドルシンガー、アニメソング歌手のライブなど多彩なプログラムを用意、鉄道ファン以外にも幅広い年代層の来場につながった。

ブース出展者は全部で約90社。鉄道会社は同じ京成グループの京成電鉄、関東鉄道、新京成電鉄のほか、千葉県の流鉄や千葉都市モノレール、さらに関東圏以外の北越急行やえちごトキめき鉄道などが共演し、ファンを喜ばせた。

北総鉄道はイベント当日、京成線沿線からの来場者向けに、八千代台発京成高砂経由(京成線から北総線への方向転換)千葉ニュータウン行きV字ルートを直行する、臨時特急「ほくそう春まつり号」を運転。会場では、7500形のミニ電車を走らせ、乗車待ちの子どもたちが列をつくった。

記事:上里夏生