開業時は千葉県営の軽便鉄道

横田駅前に建つ「久留里線百周年記念碑」

久留里線の歴史をたどります。写真撮影のために横田駅で下車した際、駅前に「久留里線百周年記念碑」があるのに気付きました。建立は2012年。そうです、久留里線の開業は1912年。「千葉県営鉄道久留里線」が当初の路線名で、木更津―久留里間で営業開始。当初は線路幅の狭いナローゲージでした。

1923年に国有化。1930年に改軌されて一般鉄道になりました。上総亀山への延伸は1936年。海抜99.2メートルの上総亀山駅は、千葉県の鉄道駅で最高所です。

振り返れば久留里線は当初、上総中野まで延伸して木原線と接続する構想でした。木更津―久留里―上総中野―大原の「房総横断鉄道」。ちなみに、木原線の「木」は木更津、「原」は大原を表します。

しかし、上総亀山から先は石尊山(せきそんざん、標高348メートル)が行く手をさえぎり、小湊鐵道が五井―上総中野間を開業して延伸の必要性が薄れたことから結局、上総亀山止まりになりました。

フリーきっぷがあれば……

途中の久留里までですが、久留里線をルポしてきました。木更津発9時16分発久留里行きに乗車して、横田で下車。1.5キロほど徒歩で戻って、小櫃川を渡る列車を撮影します。横田から11時31分発久留里行きに再乗車。久留里で駅周辺を取材、昼食の後は木更津に戻りました。

木更津発の列車は1両編成ですが、座席は半分程度埋まっています。祇園、上総清川、東清川と停車駅ごとに乗客は数人ずつ下車。学生や子連れの主婦など、乗ってくる人もいます。

乗車中に思いついたことなど……。久留里線には、ローカル私鉄によくある「1日フリーきっぷ」のような企画乗車券がありません(JR千葉支社が期間限定で発売するフリーきっぷや青春18きっぷを除きます)。車内にはシニアの姿をほとんど見かけませんでしたが、都営交通の「シルバーパス」のような高齢者向けの割安なきっぷがあれば、免許返納者が利用してくれるかもしれません。

いすみ鉄道を観光鉄道として再生

ここで久留里線を離れた参考情報。千葉県の地方鉄道で思い出すのは、いすみ鉄道や銚子電気鉄道です。両社はいずれも厳しい経営環境に置かれますが、自治体などの支援で運行を継続するのは、鉄道ファンの皆さんならご存じのところでしょう。

いずれにしても、東京駅から木更津まで房総特急で1時間弱。そこから乗り換えて、久留里、上総亀山まではトータル2時間程度で到着できます。君津市も久留里地区について、観光交流拠点としての地域振興を目指すようです。

久留里線関連のコラムは以上ですが、検討会議が成果を挙げ、地域住民や来訪者の皆さんにとって良好な形で地域公共交通が維持・再生されることを願いたいと思います。

記事:上里夏生