2022年10月から、企業・団体などすべての事業場で義務化されたのが、歯科健診の結果報告。

この就労世代の歯科健診結果報告義務化の流れに対し、「歯科健診が義務化されていない成人期において歯周病罹患率が増加してしまう。自分に合った処置を歯科医院で受け、歯周病を早期から予防しましょう」と伝えるのが、ライオン歯科衛生研究所 歯科衛生士久保田好美先生。

「歯周病と早産・低体重児出産の関係」についても

ライオンは、6月4~10日「歯と口の健康週間」を前に、オーラルケアセミナー『歯科健診のメリット』を開催。

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ライオン歯科衛生研究所 歯科衛生士 久保田好美先生が登壇し、「歯周病のリスクファクター」や「歯周病と早産・低体重児出産の関係」などについて教えてくれた。

痛みがほとんどない歯周病の怖さ

まず歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気のこと。

歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れるなどの症状が出る。痛みはほとんどないのが、置き去りにされるひとつの理由。

進行すると、膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならないことに……。

妊娠中は歯周病のリスクも高まる

ライオン歯科衛生研究所 久保田好美先生は、「歯周病と早産・低体重児出産の関係」について言及。

妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児や早産のリスクが高くなることから、「妊娠中は歯周病のリスクも高まるため、妊婦歯科健診の受診もおすすめ」という。

「妊娠期は、唾液の分泌量の低下や粘調性が高まることで、自浄作用が低下します。また、つわりの影響で歯磨きが十分にできず、口腔内が不衛生になりやすくなることも。

そこで、気分がよいときに歯をみがくときは、ヘッドが小さめの歯ブラシでみがく、低刺激のハミガキを選ぶなどをおすすめします。また、気分の悪いときは、マウスウォッシュを活用するのもいいです」

―――久保田先生は、歯科検診義務化の就労世代だけでなく、10代から歯周病の早期予防を唱え、「歯科医院で定期健診を受け、一人ひとりにあった処置、セルフケアを継続的に受け、歯と口の健康を保つことが大事」と伝えていた。

◆ライオン歯科衛生研究所
https://www.lion-dent-health.or.jp/