鉄道、自動車の二刀流の東大生研

午後のワークショップが開かれた東大生研は、東大の付属研究機関。工学系の多彩な研究を手掛けます。

最近、本サイトでも研究成果を紹介させていただきました。2023年5月の「ソフトバンクグループが完全無人運転バスを公開」。東大で研究に参加したのは、今回のワークショップと同じ須田義大教授の研究室です。

鉄道と自動車、ジャンルは違っても、次世代のモビリティ(移動手段)を追求する姿勢は共通です。

円錐形の車輪は脱線しにくい

ワークショップのエッセンスも披露しましょう。実験で用意されたのは、①~④の4種類の車輪。本物の鉄道車両と違って、フランジ(つば)はありません。

ワークショップで使用された車輪の4形態(資料:東京大学生産技術研究所次世代育成オフィス)

カーブ状の坂になった線路をころがして、最も脱線しにくいのは? 中学生の予想は、②か③が多数だったのですが……。

実は最も脱線しにくかったのは完全円すい形の①の車輪です。

「時には発想を変えて」(須田教授)

本物の鉄道車輪は、図のような円すい形。円すいは円を描くように丸く転がります。鉄道車輪は、左右それぞれが進行方向外側に丸く転がり、双方の力が打ち消しあって、まっすぐに進むのです。

直線区間で車輪がまっすぐに進む仕組み(資料:東京大学生産技術研究所次世代育成オフィス)

カーブ区間、走行中の車輪は慣性で直進しようとしますが、レールが曲がっているので、車輪は外側にブレます。するとレールに接する面が外側にずれて、外側の車輪の方が半径が大きくなるので、車輪は自然にカーブを切るのです。

カーブ区間では外側の方が内側の車輪より車輪径が大きくなるため、自然にカーブを切れます(資料:東京大学生産技術研究所次世代育成オフィス)

ワークショップでは、最後に日本の鉄道工学の第一人者・須田教授が特別講義。「鉄道は経験の積み重ねといわれるが、時に発想を変えることで、新しい発見や技術開発につながる場合もある」の言葉には、受講した中学生も深くうなずいていました。

記事:上里夏生

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