最初はLRT化を検討

富山県とJR西日本などは当初、両線のLRT化を構想しました。2020年6月から「城端線・氷見線LRT化検討会」を設置し、次世代型路面電車化する可能性を探りました。富山県には、富山ライトレール(現在は富山地方鉄道富山港線)の成功例があります。

しかし、元々電化されていたライトレールに対し、城端線と氷見線は非電化。LRT化すると、電化などで1~2年程度の鉄道運休・バス代行期間が生じるほか、軽量のLRT車両では降雪期の安定運行や輸送力の点で課題が残るため、2022年度末までにLRT化を断念しました。

その後、LRT化検討会を発展的に改組して、2023年7月に再構築検討会を立ち上げ。同年12月まで5回の会合を開催して、両線の三セク化や新車集中投入を決めました。

「JR西日本の技術支援が必要」(あい鉄)

再構築検討会の資料に、「あい鉄が城端線・氷見線を引き継ぐための条件」と題した情報が見付かりました。

あい鉄はJR西日本から移管を受ける前提として、「現路線(北陸線)と区分経理し、赤字補てんの保証を受ける」、「技術系要員確保のためJR西日本社員が一定期間、あい鉄に出向する」、「両線を直通化する場合、JR西日本の全面的な技術支援を受ける(いずれも大意)」などを求めました。

JRから三セクへの移管では、お金の問題(赤字補てん)に目が向きがちですが、安定運行には技術、そして人材が何より必要ということです。

新型車両は電気式気動車

新型車両は、JRからあい鉄への移管時までに34両導入します。現在の24両に比べて10両の増備。車両はエンジンで発電してモーター走行する電気式気動車が基本です。JR西日本では豪華観光列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(87系気動車)、JR東日本では2019年デビューのGV-E400系が電気式DCです。

秋田・青森地区に投入されているJR東日本の「GV-E400系」(写真:鉄道チャンネル)

サービス面では、沿線全駅に交通系ICカードを導入(※事業主体変更前)。あい鉄は列車を増発します。現在は高岡で分断される、城端線と氷見線を直通運転して、氷見線沿線から北陸新幹線への乗り継ぎを便利にします。旅客案内システムも採用、両線を近代化します。

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