「日本の交通力は、どこにだって根を張る。」

後段は、三セク鉄道再生に向けた動きをまとめます。三セク協が生んだヒット商品といえば、四国八十八ヶ所の鉄道版「鉄印帳(の旅)」。会員各社を回って(乗車して)、各社オリジナルの鉄印を集めれば旅のメモリアルになります。

三セク協のヒット商品「鉄印帳の旅」。最新のニュースでは井原鉄道(岡山、広島県)がデジタル版鉄印(約30秒の動画)を発売しています(画像:第三セクター鉄道等協議会)

鉄印帳の新機軸では、デジタル版鉄印帳がスタート。エリア制覇を記念する鉄印プレゼントと話題は尽きません。

ハード面では、車両検修の効率化に三セク協を中心に会員全社で取り組むなど、「日本の交通力は、どこにだって根を張る。」(三セク協のスローガン)を実行する活動が進みます。

「マーケティングマインド育てます」

ラストは、三セク鉄道から派生した話題。元公募社長が、地方鉄道支援プログラムの提供を始めました。

2014~2017年に若桜鉄道の公募社長を務めた山田和昭さん。鉄道ファンの記憶に残るところでは、2015年4月にSL「鳥取県発地方創生号」を運行し、沿線に約1万3000人を集めました。

2024年夏からは、代表社員を務める日本鉄道マーケティング(合同会社)の活動に専念します。

山田さんが2024年8月に提供を始めたのが「公共交通マーケティング推進プログラム」で、パートナーは成定竜一さん。楽天バスサービス出身で、2011年に高速バスマーケティング研究所(こちらは株式会社)を起業。バス会社の海外情報発信や外国人旅行者誘致が得意分野です。

日本鉄道マーケティングは、山形鉄道や熊本電気鉄道などでツアー客の誘致、オリジナル商品ネット販売に成果を挙げてきました。

新しい公共交通推進プログラムでは、社内人材育成や勉強会などで、沿線外から利用客を呼び込めるようなマーケティング感覚を持つ人材を育てます。

〝経営の教科書〟では、「顧客の要求を満たすため、企業が取り組むあらゆる行動」と定義されるマーケティング。三セク鉄道でいえば、「沿線外にどれだけファンを増やせるか」が求められるマーケティング戦略といえそうな気がします。

マスコミ向け発表会で握手して成功を誓う山田日本鉄道マーケティング代表社員(右)と成定高速バスマーケティング研究所社長(左)(筆者撮影)

記事:上里夏生

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