先日、おりんを鳴らすと遺影が空間に浮かぶ手元供養商品の話題を取り上げました

その時に、現代人の「供養に対する意識の変化はど〜なってるんだろう?」と疑問を記しましたが「手元供養に関する一般意識調査の結果」というものが発表されました。

テレビCMでもお馴染みの「メモリアルアートの大野屋」が2018年12月1日〜12月10日に全国10代以上の男女3,536人に対して行った「手元供養」に関する意識調査の結果というものです。

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《調査概要》
調査対象: 全国 10代以上の男女
回答人数: 3,536人
調査期間: 2018年12月1日~12月10日
◎調査方法: インターネット調査

内容を見る前に、この「調査」は「メモリアルアートの大野屋」が提案する「遺骨などを納めた小さな容器を身近に置いて故人を供養する手元供養」商品の前提になるマーケティングデータ収集的な意味合いが強く、上記の疑問にストレートに応えているものでは無いコトをお断りします。
でも、ちょっと知りたいですよね「現代の老若男女の供養に対する意識」。

まぁ、見てゆきましょう。

《質問1》手元供養という言葉を知っていましたか?(単回答)

10年くらいの間に、何度かテレビの報道番組などで特集されていましたが、意外に認知されていないのですね。

《質問2》遺骨などを納めた小さな容器を身近に置いて故人を偲ぶ商品(手元供養商品)のうち、知っているものをすべて選んでください。(複数回答)

筆者がテレビで観たのは「遺骨ペンダント」でした。ペンダントが作れるのですから、他の装身具にも応用できることは想像できます。

《質問3》手元供養商品を知ったきっかけは何ですか?(複数回答)

やはりテレビ・メディアですね。

《質問4》自分自身の大切な人が亡くなった時に、遺骨などをペンダントや小さな容器に納めて身近に持っておくことに抵抗がありますか?(単回答)

これは、意外でした。もっと心理的な抵抗感があると思ったのですが。

以下の質問は、詳細省略します。

《質問5》手元供養商品を購入するとしたら、最も重視する点は次のうちどれですか?(単回答)

ちなみにトップは価格。

《質問6》手元供養商品を身に着ける、または持ち運ぶとしたら、どのような場面でそうしたいと思いますか?(複数回答)

トップは全世代で常時肌身離さず。

《質問7》手元供養商品を購入するとしたら、どこで買いたいですか?最も当てはまるものを1つだけ選んでください。(単回答)

トップは「専門店」(仏具店など)。

《質問8》手元供養商品を購入するとしたら、どの程度の価格が理想的だと感じますか。最も当てはまるものを1つだけ選んでください。(単回答)

「5000円まで」が65%でトップ。

上記調査結果に対して、大野屋からのメッセージが以下。

近年、ライフスタイルの多様化に伴い、葬送の形式も従来の宗教・慣習にとらわれない様々なスタイルを望む方が増えています。その中で、故人との絆をいつも身近に感じることで深い悲しみを癒し、前向きな気持ちになれるよう、遺骨や遺灰、想い出の詰まった品の一部をジュエリーの中に入れて身につける“遺骨ジュエリー”や、小さな容器の中に納めて自宅のリビングや寝室に置く“ミニ骨壷”がますます注目され、ライフスタイルや嗜好に合わせた様々な形の商品が考案されています。ご家族など大切な方を亡くし、「まだ寂しくて離れがたい」「これからもそばで見守って欲しい」といったお気持ちの方や、お墓が遠方にあって思うようにお参りに行けない方、嫁ぎ先で実父母のご供養をしたいと考える方の多くが手元供養商品をお求めになっています。大野屋でも昨年、「いつでも故人を身近に感じていたい」という想いにお答えする形で、持ち運びに便利な携帯型のミニ骨壺「ソウル プチポット ポポ」を開発・発売し、ご好評をいただいております。

大野屋では東京、大阪の2か所に実際に商品を手に取ってご覧いただけるショールームを設けております。ぜひお気軽にお越しください。

この携帯用ソウルプチポット「ポポ」の商品写真が掲載されています。

手のひらに収まるサイズで、真鍮製ながら重さ70gということです。

【商 品 名】 Soul Petit Pot ポポ 【価 格】 12,000円(税抜)
【種   類】 全6色 ※大野屋オンラインストア他各販売店で好評発売中

さて、いかがでしたか?

一般論で言えば、総じて「家」の儀式として伝統化されてきた供養が、個人化していることが最大の特徴ですよね。

かつては「仏間」だったり、立派な「仏壇」だったりしたものが、トップ画像にある様なカジュアルで小さな「個人化」された形に変化しているのです。

最初の疑問、現代人の「供養に対する意識の変化はど〜なってるんだろう?」については、明らかになったワケではありませんが、上記調査では総じて「供養」は「するものだ」ということが前提になっています。

日本人、特に庶民が個々人の墓を作る様になったのは、明治維新以降と言われています。それまでは、おそらく、個人の供養は神道の伝統に近い祖霊信仰の形の中で長く続いてきたのでしょう。どんなに古い墓地に行っても、江戸時代を遡るものは、一部の特権階級のものだけです。

つまり個人(故人)を供養するという伝統はたかだか150年程度のものなのですね。どこかの偉いお坊さんが言ってましたが「そうじゃなきゃ、日本中が墓場になっちゃう」。しかし、幸か不幸か人口減少で家族の墓さえ維持できなくなっていることが報道されています。

家族や大切な人を思い、追悼する心情には明治も平成も違いはないでしょう。しかし、仏事でも故人の供養は三十三回忌(五十回忌)までというのが一般的なのは、仏事が亡くなった人物を直接記憶している人たちの催事であるからだとお坊さんに聞いたことがあります。

言い換えれば、供養はあくまでも生き残った人間たちのものなのですね。

個人的には唯物論者(半分ホント)なので、供養とか墓に興味はありません、とは言え、好きだった父の遺影は大きくはありませんが日常的に見える場所に飾ってあって、日常的に会話をします。「おはよう」とか「今日は寒くて氷がはってるよ」「お母さんから電話があったよ。」など、他愛ない内容ですが、これが個人的な供養のスタイルかもしれません。親がいなければ自分は存在しないという事実は動かし難いのです。

3月になればお彼岸です。供養について考えてみる機会かもしれませんね。