トップ画像は大金駅での列車交換。

仁井田駅を出発してから、沿線は急速に山の中、という雰囲気になってきました。右の桜が見事です。

この勾配の頂点から那須烏山市に入ります。烏山線の右上を通る道路にその標示があるので分かったのですが。

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山を抜けて集落があります。

菜の花がキレイだなぁ、と見とれていたら駅です。あぶない、あぶない。

仁井田駅から2.4kmで鴻野山駅。駅の部分、勾配標では上り10‰もあるのですね。

駅名標。七福神は福禄寿。道教で希求される3つの願い「幸福」(具体的な子孫に恵まれること)「封禄」(財産のこと)「長寿」(単なる長生きではなく、最近流行の健康寿命に近い)という極めて即物的というか具体的な希望の具現化した姿を表しています。ここまでリアリズムの神サマっていうのも凄いです。

道教と言えば「道(タオ=宇宙と人生の根源的な不滅の真理)」くらいしか思い浮かびませんが、不老不死の霊薬「丹(タン)」を練って仙人になることを理想としてましたよね。老子や荘子、道家の思想と道教は関係ないと思っていますが、神仙思想自体は面白いので大好きなんです。「抱朴子」「列仙伝」「神仙伝」「山海経」が平凡社の中国古典シリーズなら1冊にまとまって収録されてます。書架にあるので酔っぱらって時々眺めます。

また駅名標によれば鴻野山駅は里山の只中にあって、周辺には6〜7世紀に作られた台新田古墳群があるとのことです。円墳4基が残っていると記されています。

JR東日本仕様の駅名標。1934年(昭和9年)開業。駅所在地が栃木県那須烏山市鴻野山。

今回は余談が多いなぁ。

この鴻(おおとり=大きな水鳥)という字が御名前に使われてる先輩がいます。小柄な大先輩ですが、あのVANジャケットの初代宣伝部長さん。お酒が大好きで聞こし召されると「燕雀安(えんじゃくいずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」を説明する癖をお持ちです。夏でも「熱燗」という先輩に連れられて真夏の銀座ライオン。お昼間から熱燗を御馳走になります。(冷たい生ビール!飲みたいよ〜)

ホーム。学生さん、早退? バス停が見えます。駅は県道に面してします。

鴻野山駅辺りから、平地は終わり山々の間、谷の部分を縫って走ります。農耕地はほとんど無くなります。次駅の大金周辺で少し平地が広がるまでは、アップダウンが続きます。

写っていませんが、20‰の標識もありました。キハ40時代は「轟音振動エリア」でしたね〜。

相変わらず冴えない空模様で、木々の間を走るとますます暗くなってボヤッとした写真が続きます。

では、【非電化路線に乗ろう04】烏山線 その6 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)