駅名標。1935年(昭和10年)開業。被災前のJR時代は有人駅でしたが、三陸鉄道リアス線に移管されて無人駅になっています。愛称は「鮭の町」。駅の近くを流れる津軽石川は宮古湾の最奥部に注いでいます。本州では最も多くの鮭が遡上する川なのだそうです。隣に名所案内があります。陸中海岸国立公園は、東日本大震災以降2013年(平成25年)に八戸市鮫町あんど2地区を編入して「三陸復興国立公園」に改称されています。もちろん復興の状況次第で将来的には新たな名称に改称される予定になっています。

列車交換で待ち時間があったので外に出て新しく建てられた駅舎の正面を撮影。右に新しいトイレも作られています。

交換列車が来ました。

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踏切の左、真ん中は文政11年という年号の書かれた西國順禮塔がありました。1830年頃に建てられた石碑です。江戸時代は旅が御法度でした。お伊勢参りと西国の寺社を巡る旅が、例外的に公式に認められた旅だったのです。人生に一度(あるかないか)の旅から無事に還った人が記念して西國順禮塔を建てたのです。左は馬頭観世音。右は読めません。震災後にこの様な古い歴史のこもったものを見るとホッとします。

津軽石川の水門があります。水門から200mほど下流が宮古湾に注ぐ河口です。川との間に国道45号線が通っています。

右下の2車線道路は国道45号線から分岐して三陸自動車道の宮古南インターチェンジにつながっています。

左上は三陸自動車道です。

駅予告票は、2つ目の新駅。

津軽石駅から5.4kmで八木沢・宮古短大駅。払川駅同様、東日本大震災の被災が少ないエリアで被災した方たちの移住が多く、市内との移動のために三陸鉄道リアス線の全通開業2019年3月に新しく開業しました。宮古市の見込んだ駅利用者は152人/日。ホームには宮古方面の列車を待つお客さんがいます。

ホームの待合室。後方に駅名標があります。新しい駅同士は双子の様に似た作りになっていますね。駅の東側、八木沢川を渡った場所に岩手県立大学宮古短期大学部があります。宮古湾方面に少し行くと、次の磯鶏駅とのちょうど中間くらいに宮古海上技術短期大学校もあります。

何と駅名標を撮影ミスしました。新しいホームの宮古駅方面を見ています。ちょっと不思議な案内板がありますが、それは次回。(笑)

ちなみにこの新駅の愛称は「八木沢川のせせらぎ」です。

【私鉄に乗ろう98】三陸鉄道リアス線その22 に続きます。

付記:2020年1月25日の三陸鉄道、被災からの復旧状況。

通常運行区間 盛駅〜釜石駅間

臨時ダイヤ運行区間 陸中山田駅〜田野畑駅

バス代行運行区間 釜石〜陸中山田駅 田野畑駅〜久慈駅間

全線運行再開予定 2020年3月20日

※三陸鉄道さんのホームページから借用しています

(写真・記事/住田至朗)