突然の583系――!

2019年9月27日、『初恋*れ~るとりっぷ』(永山ゆうのん)第1巻が発売になりました。

高校の鉄道部を舞台とする鉄道百合萌え四コママンガです。2019年11月現在は芳文社の『まんがタイムきららMAX』にて連載中。単行本はKindleでも購入できます。

あらすじはこんな感じ。

“主人公の天満そらは電車が苦手。幼いころに一人で電車に乗って泣いているところを鉄道好きのお姉さん宮沢まひろに助けられ、一目惚れしてしまう。彼女は憧れの人と再会するため鐘ノ台高校へ入学し、鉄道部へ入ろうとするが、鉄道部は肝心の部員がいないため廃部の危機に立たされており……”

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ジャンルとしては芳文社系の萌え四コマにありがちな部活物。まあ廃部の危機といっても別にそんな深刻なものではなく、えんえん鉄道の話をしている可愛い絵柄のマンガなので、気負う必要は全くありません。まあきらら系の部活物で顧問がガチの恋愛対象になっているのはわりと珍しい気がしますが、私はアリだと思います。

さて、そんな百合4コママンガですが、鉄道研究部が舞台ということでファン層の心をくすぐるネタがたくさん散りばめられています。2017年4月8日に引退した583系の座席が部室にどーんと置いてあるのは軽いジャブ。

E5系の最高速度は320km/h 構想段階では360km/hを目指していたのですが……
四コマで第二広瀬川橋梁を見たのは本作が初めて

他にも時刻表を読んでいたり鉄道ジオラマを作っていたりと普通に鉄道研究部らしい部活をしており、そのようなコミュニティに入らずに孤独に過ごしてきた人が、鉄研の雰囲気を疑似的に体験するにも良いと思います。

舞台は東北(仙台)

作中では仙台の路線を中心に描かれていますが、第1巻のラストでは東京遠征も示唆されていますし、ゆくゆくは関東の鉄道ネタも読めるようになるかもしれません……というわけで、今回は『初恋*れ~るとりっぷ』のご紹介でした。

ちなみに鉄道系萌え四コマと言えば、2011年~2014年にも『ロコ・モーション』(藤井理乃)というマンガが連載されていました。架空の鉄道会社「わかば鉄道」に就職した新米女子鉄道員を描いた作品で、こちらは全2巻で完結しています。

記事/写真:一橋正浩