いよいよ2020年4月から改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が施行され、喫煙エリアが厳格化される。

条例施行まで6か月を切ったいま、居酒屋やレストランなどの飲食店業界や、駅やその周辺の公共交通事業者、パチンコ店やゲームセンターなどのアミューズメント業界、カラオケ店やボーリング場、ビリヤード場などの遊技系などから問い合わせが相次いでいるメーカーがある。

東京・岩本町に本社ショールームを置く、パーテーションメーカーのアイピック。

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アイピックは今夏、パーティションによるボックス型 喫煙ブースの販売をスタート。同条例施行を前に、全国各地から問い合わせがあり、現場に営業担当を派遣。実測しながら喫煙ブース施工へむけて動き出している。

注目の喫煙ブース、気になるのは予算や工期

すでに、1700店超で全国展開する居酒屋チェーンからオーダーが入っているというアイピックのパーティションボックス型 喫煙ブース。

画像のような喫煙ブースを設置するのに、まず気になるのが予算と工期。

「設置位置の実測から受け渡しまで、だいたい100~200万円」と話すのは、アイピック広報・マーケティング部 小林さん・和田さん。

「付帯工事によって予算は変わってくる。たとえば所有物件か、賃貸物件(テナント)かなどの建物条件によっても費用が変わってくる。ダクト工事、照明工事、消防法関係申請なども受け付ける場合があるので、それらによって変動する」

「工期は、現地実測を経て受注すると、居酒屋などの場合、初日に飲食テーブルなどを撤去して床の原状回復に1日かかる。2日目にパーティションボックス型 喫煙ブースを搬入・組み立て。3日目にエアコンダクトなどの建物と喫煙ブースをつなぐ付帯工事を行うということで、最低3日間はかかる。営業時間外に工事を行うことから工期が長くなることも」

公共スペースや工場などにも喫煙ブースが広がる可能性

居酒屋などの飲食店やパチンコ店でオーダーが相次いでいるアイピックのパーティションボックス型 喫煙ブースも、「公共スペースや工場への設置も広がる可能性がある」という。

首都圏の鉄道エリアがほぼ全面禁煙化されているなか、地方のローカル路線や、公共交通スペースには、いまだに分煙化ができていないエリアもある。

さらに工場や製造所などの火災防止や健康増進対策で、分煙化・喫煙エリア厳格化が高まるにつれ、こうした後付け喫煙ブースが広がりをみせる気配―――。

改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の施行まで半年を切ったいま、「法令を遵守する適切な喫煙ブース設置に向けて、コンサルティングからアフターフォローまでトータルに対応していきたい」とアイピック。

「既存車両を改造して製作する観光列車などに、後付け喫煙ブースなどを設置するという可能性は、あるかもしれない」という話もあがった。

<アイピック>
https://www.ipic.jp/

tokyochips編集部