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銀座で今しか買えない希少な日本酒とは? 新潟が誇る新品種の極早生米「なつひめ」を採用。若手女性蔵人が苦労の末に生み出した純米大吟醸が発売開始に!

猛暑などの異常気象による米の品質低下が全国的な課題となるなか、真夏の高温下でも品質が落ちにくく、8月中旬に収穫できる新潟県の極早生・新品種米「なつひめ」が誕生し、大きな注目を集めています。この新米「なつひめ」を100%使用し、醸造用アルコールを添加しない全量純米蔵によって造られた初の日本酒、純米大吟醸 「し・し・し」が、1,300本の数量限定でリリースされました。11月4日(水)には東京・銀座のアンテナショップ「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」にて先行販売を開始。11月7日(土)からはいよいよ、一般発売をスタートします。
本記事では、新品種「なつひめ」の持つ画期的な特徴をはじめ、入社3年目の若き女性蔵人が手掛けた「淡麗旨口」な一杯の味わいや、銀座で開催されたお披露目会の詳細について解説します。

新品種「なつひめ」はどんなお米?

生産者・ひだまり農産代表取締役の川村学氏

新品種「なつひめ」はどのようなお米なのでしょうか。ひだまり農産の生産者、川村学氏が登壇し、なつひめの特徴と今後の期待について説明がありました。

「なつひめ」は、米どころ新潟県が開発した極早生(ごくわせ)のお米です。一般的な新米シーズンに先駆けて8月中旬に収穫(稲刈り)ができます。そして、最大の特徴は真夏の高温下でも品質が低下しにくい「高温耐性」を備えていること。観測史上最も暑い夏となった2025年のような記録的な猛暑にも負けない新品種米です。

「なつひめ」は、穂が長く穂数は少なめの「偏穂重型」

手のひらに乗せた稲を見ると、茎のいちばん上に「止葉(とめば)」と呼ばれる葉が付いています。止葉があることで日陰ができ、稲穂に直射日光が当たりすぎるのを防ぐことができます。

コシヒカリと比べて「なつひめ」は丈が20センチほど短いため、倒れづらいそう(画像:新潟県ホームページより)

また「耐倒伏性」がやや強い、つまり風雨や作物の重みなどの影響を受けても地面に倒れにくい品種でもあります。

異常気象でも安定して供給しやすい「なつひめ」に期待
記録的な猛暑や雨不足など、近年は環境の変化による異常気象が、生産管理現場にも、農業経営にも大きな影響を与えています。夏の暑さに強く、通常よりも早く収穫できる極早生品種として開発された新潟米「なつひめ」は、異常高温下でも高品質な新潟米を安定して生産しやすい新品種として、大きな期待が寄せられています。川村氏は「食の安定供給と農業経営の安定につながる品種として、今後のさらなる普及と可能性に期待している」と笑顔で語りました。

雪椿酒造とはどんな蔵元?

雪椿酒造 杜氏の飯塚泰一氏

続いて雪椿酒造杜氏の飯塚泰一氏からは、雪椿酒造の特徴について説明がありました。雪椿酒造は1806年(文化3年)、新潟県のほぼ中央に位置する加茂市で「丸若酒造」として創業。1987年に、県木であり市の花でもある「雪椿」の名に社名変更しました。

醸造用アルコールを添加しない「全量純米蔵」へ
新潟県の日本酒と言えば、すっきりとキレのよい「淡麗辛口」が主流。醸造アルコールを添加することでその味わいを生んでいますが、雪椿酒造では2011年、敢えてアルコール添加をしない「純米蔵宣言」を行い、「全量純米蔵」となりました。
蔵に隣接する加茂山公園で自生する野生のユキツバキの花から酵母菌を採取した「雪椿酵母」や、創業220年を迎える木造の梁から採取した「蔵付酵母」を活かした商品づくりも同社の大きな特徴です。(ただし今回の新商品は、華やかな香りの「協会1801酵母」を採用しています)。

「新品種」「新米」「搾りたて新酒」でし・し・し

なつひめ圃場にて田植え後の青木氏(写真左)と刈取り前の飯塚氏(画像:雪椿酒造)

新米「なつひめ」を原料に使用した日本酒を作ることになったきっかけは、雪椿酒造のラインナップにこれまでなかった「新酒・搾りたて」の商品をつくりたいという想いから始まりました。新潟県内でできるだけ早く、新酒で新米のしぼりたてを出したい。極早生の品種はないかと探していたとき、新しく登録される「なつひめ」というお米があるという話を耳にして「新品種でお酒を造るのは今年しかできない!」と動き始めました。

実は4つの「し」?
「新品種・新米・しぼりたて」と3つの「し」が並ぶことから、新銘柄の名前は「し・し・し」に決定!
実は裏テーマとして、もうひとつの「し」があります。それは「新人」。入社3年目の蔵人・青木帆南氏が醸造を担当したら面白いのではないかという声が挙がったこと、お米の名前が「なつひめ」であることから、「姫」の青木氏に白羽の矢が立ちました。

入社3年目の女性蔵人が挑戦!

雪椿酒造 蔵人の青木帆南氏

ここで、今回の酒づくりを任された雪椿酒造の蔵人、青木帆南氏が登壇。当時を振り返るとともに、完成までの苦労を語ってもらいました。

酒づくりの工程をスライドで解説

初めて扱う新品種「なつひめ」による酒づくりは麹米の洗米からスタート。なつひめは通常日本酒の製造に使用する「酒米」ではなく「飯米」のため、なかなか吸水せず苦労したそう。浸漬(しんせき)時には当初の約3倍の時間をかけて吸水させたと言います。洗米した米を蒸し、ムロ(麹室)で蒸した米に麹菌を均等に振る「種付け」の作業を経て、泊まり込みで温度管理をして、無事に麹が完成しました。
酒母造りを経て仕込みが完成した後は、毎日分析をしてもろみを管理。上槽(搾りの工程)の日は休みだったにもかかわらず、気になって駆けつけてしまったと言います。約1.5ヶ月かけて、手塩にかけた純米大吟醸「し・し・し」が完成しました。

純米大吟醸「し・し・し」の気になるお味は?

原料米「なつひめ」(写真左)と純米大吟醸「し・し・し」を実際に味わってみました

会場ではまず、原料米「なつひめ」を実食。極早生米といえば小粒なイメージがありましたが、事前に説明があった通り粒は大きめ。噛むほどに甘味をしっかりと感じました。後味はあっさりとしていて、どんな料理にも合いそうです。それでは、このお米をお酒にするとどうなるのでしょうか?

純米大吟醸「し・し・し」を試飲!

純米大吟醸「し・し・し」は「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」で購入できます

いよいよお待ちかね、純米大吟醸「し・し・し」の試飲です。雪椿酒造が目指したのは「新潟の酒=淡麗辛口」のすっきりとしたお酒が主流の中で、キレがありながらも純米蔵らしい旨みや甘みを感じる「淡麗旨口」。実際に試飲してみても、純米大吟醸らしい華やかな味わいや甘みを感じつつもすっきりとした味わいで、純米大吟醸がフルーティ過ぎると感じる人でも楽しめそうだと感じました。

東京メトロ銀座駅B5出口より徒歩約2分の「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」。店頭には新米がずらり。純米大吟醸「し・し・し」の原料米「なつひめ」も販売していたのですが、先週で完売してしまったそう

なつひめの純米大吟醸「し・し・し」は11月7日(土)から新潟県内の酒販店、銀座・新潟情報館 THE NIIGATA、雪椿酒造公式オンラインショップで一般販売を開始。限定1,300本の販売となります。価格は税込み1,980円と、純米大吟醸としては抑えた価格帯。話題の日本酒を気軽に楽しめそうです。

雪椿酒造の伝統と若き蔵人の感性が交差して産声を上げた純米大吟醸「し・し・し」。「新品種・新米・しぼりたて」が揃うのは、まさに今この時期だけのお楽しみです。限定1,300本という希少な味わいを求めに、今週末は銀座のアンテナショップへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

文・写真:斎藤若菜
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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