丘陵地の地形をいかした「油山市民の森・油山牧場エリア」=全体イメージ=(画像:JR九州)

コロナ禍やソロキャンプ普及を追い風にしたアウトドアブーム。移動や地域連携・振興がキーワードの新しいレジャーは、鉄道との相性も抜群で、多くの鉄道事業者が進出の機会を狙う。

JR九州は、新規ビジネスとして「複合体験型アウトドア事業」に参入する。アウトドア用品メーカーの「スノーピーク」、地域振興ビジネスをてがける「ローカルデベロップメントラボ」、登山情報アプリの「ヤマップ」(いずれも企業名)をはじめとする9社連携の共同事業で、JR九州は代表企業を務める。

対象地は、JR博多駅から15キロほど南西に位置し、福岡市南、城南の両区にまたがる「油山市民の森・油山牧場エリア」。福岡市による「油山市民の森等リニューアル事業」の事業者公募で、優先交渉権者に選定された。9社は2023年度中のリニューアルオープンに向け、「森のBBQ(バーベキュー)場」、自然環境保全をめざした「森づくり人づくり基金の設立」などに取り組む。

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福岡市に提案した事業メニューでは、「人と都市と自然の共生」をビジョンに、「暮らす・遊ぶ・働く・学ぶ・整う・循環の森油山」を油山から発信する。

施設面では、市民の森管理事務所をリニューアルして、ショップやカフェ、森のオフィスを併設するほか、牧場市民研修施設にはミシュラン1つ星レストランが運営する農園のあるカジュアルレストランも。市民の森・牧場エリアには、話題の豪華版キャンプを楽しめるグランピング場も。マウンテンバイクコースや収穫体験できる農園などを設ける。

リニューアルの目玉・グランピング施設=イメージ=(画像:JR九州)

JR九州は、「油山を市民の皆さんにとって魅力的な場所にするとともに、地域の豊かな自然を守り育てたい」とコメントした。

記事:上里夏生