仙台港駅で、火を落として荷積みを待つSD55形ディーゼル機105号機の脇を歩き、駅の東側、第2北幹線踏切に立つ。

タンク車が連なるヤードの先、陸前山王駅につながる信号は、すべて赤。

機関庫にはSD55 103。こちらも火を落として休んでいるみたい。

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新潟鉄工所がつくったSDに手を振り、多賀城リサイクルセンターを右に見て、がれき処理施設を左右に見ながら仙塩街道へと歩く。

北風が運ぶ砂ぼこりが、パチパチパチと身体にあたる。人ひとりいない道を20分ほど歩くと、やっとイオンや万代といった看板が見えてくる。

仙塩街道へやっとたどりつくと、多賀城の日常に、やっとありつく。

街道沿いに、半田屋。

仙台港駅から1時間ほど歩き、やっと人の営みを感じる集落に入ってホッとしたからか、いろいろ手が伸びた。

Googleマップを見ると、ここ半田屋から多賀城駅まで、徒歩10分。

西日がさす半田屋で、帰りの最終新幹線を確認し、2軒め、3軒めの目星をつける。

空き缶と食器を返し、街道から駅へと歩く。

「波来の地」の石碑と向かい合い、鎮守橋に立つ。

おだやかな砂押川の川面のむこうに、乗るはずだった仙石線電車の灯りが見えた。