※2021年4月撮影

トップ画像は、大正6年(1917年)に建てられたJR九州日豊本線上臼杵駅です。オリジナルの木造駅舎にほとんど手が加えられていない素晴らしい状態でした。

駅舎を西側から。手前の切妻屋根は瓦が幾分新しいかもしれません。

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※2021年4月撮影

駅前は小さな広場になっています。手前が駐輪場、奥には駐車場があります。

※2021年4月撮影

まだ新緑が萌え出で始めた季節でしたが、夏に来ると木々の葉で駅舎が見え難い状態になるかもしれませんね。何故か木々は右に傾いていました。

※2021年4月撮影

東側、待合室があります。この部分だけでしたが妻壁上部(破風)はオリジナルではない板で覆われています。

※2021年4月撮影

正面、駅舎の向こうにホームに上がる階段が見えます。駅には郵便ポストと電話ボックスのセットがお約束です。かつて鉄道が郵便物を運んでいたことや、旧国鉄の鉄道電話網が民間電話の普及よりも先行していた歴史を感じさせます。鉄道は日本の近代化以降、長い間唯一で最新のインフラだったのです。

※2021年4月撮影

2015年(平成27年)から無人駅です。旧駅事務室が何に使われているのか分かりませんが、窓には装飾が貼られ、室中にはお菓子(?)や日本文学全集が置いてありました。夏目漱石、石川淳など作家の名前が読めました。

※2021年4月撮影

真壁造り、大正6年の柱と腰壁の板張りが美しい。駅舎内の床はザラッとした懐かしい感じです。

※2021年4月撮影

待合室、ベンチがプラスチックですが、天上が高いので空間が広く感じられます。木の窓、白壁、天上など本当に素晴らしい! 木造駅舎がお好きなら見に来る価値が大いにあります。

※2021年4月撮影

窓口は無人駅なので閉鎖されています。こちら側の壁面だけが違う仕上げなので後から造作されたものかもしれません。

※2021年4月撮影

駅の出入口。木の引き戸が残されています。

※2021年4月撮影

ホーム側。乗車券販売機があって、出入口には臼杵市の「百年木造三駅舎」の旗「上臼杵駅」「熊崎駅」「下ノ江駅」が下がっています。左下の切株の上には「駅長」と書かれた猫の飾り。

※2021年4月撮影

では、次回はホームに出てみましょう。

(写真・文/住田至朗)

※木造駅舎などJR九州さんの許可をいただいて撮影しています。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。