【木造駅舎カタログ】山陽本線027/36 戸田駅
※2020年8月撮影
トップ画像は、山陽本線戸田(へた)駅。ちょっと読み辛い駅名かもしれません。屋根瓦が改修されてキレイに葺き替えられた様です。15年程前の写真ではかなり屋根瓦が傷んでいました。
またまた実に美しいプロポーションの木造駅舎です。ベスト・プロポーション木造駅舎のトップ3に入れたくなる端正な佇まい。少し前の写真を見ると駅舎前には植込みがありましたが、2020年8月の時点では歩道になっていました。しかし背後の山との組み合わせも含めて、木造駅舎ベストショットの1枚です。
北側から駅舎。正面の写真はプロポーションが整っていて大きく横長に見えましたが、実際はそれ程大きな駅舎ではありません。駅舎の建造はいつか分かりませんが、オリジナルの外装が残っている様で貴重です。ちゃんと電話ボックスと郵便ポストは揃っています。駅前は路線バスの停留場。
※2020年8月撮影
戸田駅は1911年(明治44年)鐵道院山陽本線の駅として開業しました。1962年(昭和37年)貨物取扱廃止。駅名になっている戸田は駅の西南、山陽自動車道徳山西インターチェンジの南にある地名です。駅所在地は、山口県周南市大字夜市(やじ)字中村。この夜市という地名も独特です。駅の東に夜市川が流れています。瀬戸内海まで南に2kmほどですがその間が山地で道がありません。福川駅から海側を行くしか到達する方法は無い様です。
駅出入口。端正さに溜め息がでます。無人駅です。
※2020年8月撮影
駅前は国道2号線。奥の山の下には山陽新幹線がトンネルで通っています。駅の周囲は住宅がある程度で商店などは見当たりません。国道を通過する自動車の音がしない時間帯は蝉の声しか聞こえない静かなところです。
※2020年8月撮影
西側を見ています。戸田町は国道2号線を2kmほど行った辺りです。駅前の駐車場には予想外に自動車が入ってきます。トイレ休憩でしょうか。
※2020年8月撮影
東側。湯野温泉の看板がありますが、戸田の町からさらに北に山を分け入った場所にある温泉です。この辺りは夜市川が削った谷に駅とわずかな平地が広がっているのです。
※2020年8月撮影
※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。
(写真・文章/住田至朗)