「レトロな小旅行が楽しい」デビュー10周年のきゃりーさん、コラボ車両が走る銚電に乗車 駅で謝罪会見!?【コラム】
歌手でモデル、タレントとしても活躍するきゃりーぱみゅぱみゅさんが2022年5月18日、千葉県の銚子電気鉄道(銚電)にやってきました。銚電がゴールデンウィーク(GW)から走らせるコラボ車両と初対面するとともに、みずからアイディアを出した観音駅リニューアルをお披露目しました。
「謝罪会見」というユニークなコンセプトのフォトブースが設けられた、観音駅で銚電の印象を聞かれたきゃりーさんは、「ローカルな雰囲気あふれる沿線がすてき。レトロな小旅行を楽しめました」と、経営難に直面する地方ローカル鉄道にエールを送りました。
地方から元気を届けるプロジェクトで銚電がパートナーに
2021年にデビュー10周年を迎えたきゃりーさん、2022年1月からの全国記念ツアーで打ち出したのが、「LOCAL POWER JAPAN Project(ローカルパワージャパン・プロジェクト)」。「地方から日本を元気に」のメッセージを込め、公演が行われる各県に根付いた企業等とコラボレーションし、コンサート会場で地域産品などを販売します。
4月3日に開かれた千葉公演で、パートナーに選ばれたのが銚電。竹本勝紀社長は、「鉄道会社なのに自転車操業」「(オリジナル商品の)まずい棒は本当はうまい。まずいのは経営です」など、ユーモアあふれる自虐コメントを連発します。それがきゃりーさんの耳にとまって、コラボにつながりました。
特別デザイン乗車券の売り上げで、電車を装飾し駅をリニューアル
きゃりーさんとのコラボ商品が、特別デザインの1日乗車券「弧廻(こまわり)手形」。オンラインショップや駅のほか、コンサート会場でも発売され、きゃりーさん〝推し〟もあって、多くのファンが買い求めました。銚電は売り上げを、コラボ車両の装飾費や駅の改装費にあてました。
コラボ車両は天井部分をピンク、黄色、青の風船で埋めつくし、千葉県のマスコットキャラクターのチーバくんや、地元食品メーカーのキャラクターの犬のぬいぐるみが〝乗車〟します。きゃりーさんは、車内アナウンスも担当しています。
リニューアルされた観音駅にはパステルカラーのベンチや多目的トイレ
リニューアルされた観音駅は、坂東三十三観音の一つ・飯沼観音の最寄り駅。駅舎は老朽化、トイレも使いにくかったのが、改装でホームにはパステルカラーのベンチ、多目的トイレも設けられました。
そして何よりユニークなのが、謝罪会見場を模したフォトブース。銚電とのコラボでは、2015年発売のヒット曲「もんだいガール」を「問題がある」と読みかえてテーマ曲に。ミュージックビデオに登場する、マイクが並ぶ会見場を駅に用意しました。
銚電は、きゃりーさんのファンや鉄道ファンに駅を訪れてもらい、〝映(ば)える写真〟のSNSなどへの投稿で、口コミの誘客効果をねらいます。
銚電への来訪日、きゃりーさんは銚子―外川間(6.4キロ)の全線に乗車した後、生まれ変わった観音駅へ。竹本社長や銚子市の越川信一市長とともに、イベントに参加。3人は、コラボ曲にちなんで「謝罪したいこと」をそれぞれ明かしました。
きゃりーさんは、「4月20日に出演したアメリカ・カリフォルニア州の音楽フェスティバルで、1人でステージに立たねばならず、非常にあせりました」、竹本社長は「GWに多くのお客さまがお越しになり、主力商品の『
「問題があるは、本当は楽しいこと」
最後にきゃりーさんは、「問題があるからこそ、人はそれを乗り越えようと知恵を絞ります。『問題がある』は、本当は楽しいことなのかも。私も、地域の皆さんに愛される銚電のように、今後の活動頑張ります」と元気いっぱいに話しました。
銚電は観音駅に、「銚子電鉄は問題ガール!!」のメッセージボードを用意。駅の掲示板には、アメリカ公演でコンサート会場に飾られた銚子漁港のオリジナル大漁旗も展示されます。
記事:上里夏生(写真は全て筆者撮影)