東海道線 掛川駅から山側へ進路をとり、天竜川を越え、浜名湖の北岸をなぞって再び東海道線 新所原駅で合流する67.7km・39駅の路線―――天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線(天浜線 てんはません)。

美しい風景のなかを気動車がことんことんと行くこの天浜線に、顔面が黄色、ボディがステンレスの珍しい3両編成が6月に走り、沿線がにぎわった。

その正体は、JR東海のキヤ95系事業用気動車、ドクター東海(写真は同形式イメージ)。

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6月に天浜線を走ったJR東海キヤ95系事業用気動車は、1996(平成8)年に日本車輌製造でつくられた第1編成(DR1)。

東海道線と線路がつながっているこの天竜浜名湖線 天竜浜名湖線も、線路や軌道の定期チェックは、このキヤ95系が担う。

一般旅客は乗れない車両だけど、JR東海の検測車が天浜線を走るっていうことで、鉄道好きなどから注目を集めている。

キヤ95系は、国内初の気動車による在来線用の軌道・電気総合試験車で、これまで軌道関係と電気関係を別々に検査・試験していたのを、このキヤ95系は軌道・電気をいっぺんにチェックできるという点がアドバンテージ。

最新の画像処理技術を導入し、新しい設備に対応した検測装置を搭載。線路・電力・信号通信設備の状態を総合的・効率的に検測する。

ここで気になるのは、天竜浜名湖線を検測するさい、運転士や検測係員はどちらの会社が担うか。

天竜浜名湖鉄道に聞くと、天浜線内は運転士を天竜浜名湖鉄道社員が、検測はJR東海グループなどの専門スタッフが担うという。

―――当時の国鉄の特定地方交通線、二俣線を引き継いだ天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線に、JR東海のドクター東海が行く梅雨入り前の定期検診。いつもと違う運転台を操る運転士は、どんな感覚で操ってるのだろうか。

(キヤ95系 写真:kiha8500)