2022年12月23日に閣議決定された国の令和5年度政府予算案では、国土交通省鉄道局が扱う整備新幹線関係で令和4年度(2400億円)より額で460億円、率で19.2%少ない1940億円の事業費が認められた。このうち国の予算に当たる国費は、令和4年度と同額の803億7200万円。

建設中の3線区のうち、北海道新幹線新函館北斗―札幌間は2022年12月、資材価格高騰などを受けて6445億円の事業費増加が明らかになった。令和5年度の事業費は1700億円で、前年度の1350億円に比べ350億円増額された。

このほかの線区の事業費は北陸新幹線金沢―敦賀間が140億円(令和4年度930億円)、西九州新幹線(国の事業名は九州新幹線)武雄温泉―長崎間が100億円(同120億円)。建設工事がヤマ場を越えた北陸新幹線と、2022年9月に開業した西九州新幹線が減額。予算額に見るかぎり、整備新幹線の柱は完全に北海道新幹線に移った。

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このほかの新幹線関係では、未着工の北陸新幹線敦賀―新大阪間で、施工上の課題解決のための調査費を、新しく「北陸新幹線事業推進調査」の名目で12億円計上。国交省は、本来は着工後に予定していた京都駅や新大阪駅の構造検討などを、前倒しして実施する方針だ。

記事:上里夏生