企画展「ロマンスカーらしいデザインって何だろう?」のキービジュアル(画像:ロマンスカーミュージアム)

日本の鉄道界を代表する、フラッグシップトレイン・小田急電鉄の特急ロマンスカーの秘密を、デザイン面から解き明かす企画展「ロマンスカーらしいデザインって何だろう?」が2023年3月29日から、神奈川県海老名市のロマンスカーミュージアムで始まった。夏休みの8月21日まで。

小田急の特急史を彩ってきたSE(3000形)、NSE(3100形)、VSE(50000形)の歴代ロマンスカーの設計図やデザイン案といった資料を初公開。〝コラボ展示〟と銘打ち、京成電鉄、西武鉄道、名古屋鉄道の私鉄3社の看板特急の資料もお披露目する。

2005年にデビューした「VSE」関連の資料展示=イメージ=(写真:ロマンスカーミュージアム)

2021年4月に開館し、今春2周年を迎えるミュージアムによる企画展。同館はこれまで、富士山麓電気鉄道(富士急行)やJR東日本、銚子電気鉄道といった他社とのコラボで、鉄道業界全体の盛り上げに力を入れてきたが、今回は小田急と同様、看板特急を運行する3社に敬意を払いながら、「特急らしいデザイン」は何かを考える。

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小田急のデザイン面のキーワードは、「流線形」、「展望席」、「独自性」の3項目。共演3社の特急とは、京成「AE形スカイライナー」とSEが流線形、名鉄「7000系パノラマカー」とNSEが展望席、西武001系「Laview」とVSEの独自性が共通する。

私鉄3社とともに、企画展に協力するのが秦野市立宮永岳彦記念美術館。昭和を代表する洋画家の1人で、秦野市ゆかりの宮永岳彦さん(故人)は工業デザインも手掛け、SEのカラーデザイン、バーミリオンオレンジに白とグレーのラインの塗装を考案した。

展示を離れたコラボでは、西武秩父駅前の温泉「祭の湯」とタイアップ。ミュージアム入館者と、祭の湯入湯客の相互訪問者それぞれに特典がある(5月31日まで)。

展示会場はロマンスカーギャラリーで、ミュージアム入館料だけで観覧できる。

記事:上里夏生