トップ画像は、横須賀市が整備した「西浦賀みなと緑地」から浦賀水道方向を眺めています。「西浦賀みなと緑地」は、京急浦賀駅からバスに乗って5分ほど「よこすか浦賀病院」の前にあります。海が綺麗なので久しぶりに気分が爽やかになりました。

「西浦賀みなと緑地」には木製の階段デッキがあり四阿(あずまや)も作られています。しかしここは「陸軍桟橋」の歴史を後世に伝えるための歴史遺産なのです。このL字形の桟橋が「陸軍桟橋」です。

「陸軍桟橋」は、太平洋戦争終了後、南方や中国大陸からの引き揚げ者約56万人が故郷の日本に第一歩を印した場所なのです。今は平和な釣り人たちの楽園になっています。ウィークデイなので人数は多くありませんが、週末などは、子供を連れて釣りに訪れるファミリーが多い様です。安全な釣りポイントなのです。

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この様な案内が設置されていました。

「西浦賀みなと緑地」からは対岸の東叶神社と、かつて浦賀城が置かれた神社背後の丘が一望できます。

浦賀城のあった丘と東叶神社に望遠レンズで寄ってみました。う~ん、後刻、あの頂上、標高53mを目指すのですが、シビれますね~。マンションで言えば17-18階あります。(笑)

さらに東叶神社をアップしてみました。

東岸には、江戸時代から東西浦賀村間の交通手段として住民に愛されてきた「浦賀の渡し(渡船)」で渡ります。現在も「浦賀海道」と呼ばれ、横須賀市道2073号なのです。カメラで探すと湾の中程を漂っていました。

「陸軍桟橋」から浦賀駅方向に数分歩くと西渡船場があります。朝7時から夕方6時まで就航しています。ただし12~13時はお昼休み。左に「ご乗船の方は 上のボタンを押して下さい」とあります。押して待つこと数分。

渡船がこちらに向かってきます。

現在の渡船は、平成10年(1998年)8月に就航した「愛宕丸」。御座船(ござぶね)風のデザインです。ちなみに「御座船」は、公家、将軍、大名などの貴人が乗るための豪華な船です。

この乗り場から乗船します。

利用者は筆者一人です。「いいのかな?」と思う間もなく「200円入れて下さい」と言われて料金を払うとサッサと対岸目指して海上を走り始めました。湾の出口、浦賀水道方向が見えました。海の青さが空の青を映しているんだなぁ、と得心するカットです。

これから行く東叶神社(赤い矢印)と浦賀城趾のある丘も見えます。東渡船場からは少し離れています。

3分ほどで東岸に到着、桟橋の凹んだ角に船の船首を付けます。下の虎柄ラインが乗降船口です。

東の船着き場で下りました、入れ替わりにお客さんが一人乗り込んでいます。

東渡船場にあった案内看板。渡船の歴史は古く、享保十八年(1733年)の「東浦賀明細帳」に渡船を修復する際に周辺の村も東西浦賀村と応分の協力をすることが書かれているそうです。当時の船頭の生活は、東西浦賀村一軒あたり米六合で支えたとあります。

これが東渡船場です。

では、東叶神社と浦賀城趾を目指します。

【駅ぶら03】京浜急行100 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)