料理は文字通りのきのこ尽くし 写真提供:明知鉄道

岐阜県の第三セクター・明知鉄道では、秋の味覚を満載したグルメ列車「きのこ列車」が運行されている。JR中央西線恵那と明智を結ぶ25.1kmの明知鉄道は、旧国鉄時代の1985年に国鉄明知線を三セク化して開業した。1987年の寒天列車を皮切りにさまざまなグルメ列車が運転され、秋のきのこ列車は冬のじねんじょ列車と並ぶ人気観光列車だ。

ロングシートの車内は、中央に長机を並べて食堂風に変身。提供する料理は日によって変わるが、焼きマツタケ、ロージタケのショウガ和え、アミタケのみぞれ和え、アカタケとホウレンソウのゴマ和え、マイタケやマツタケの天婦羅、カオリダケの甘煮とキノコ尽くし。仕上げのマツタケご飯には、マツタケの土瓶蒸しを添える。

コロナ禍の2020年は、感染防止対策も万全。1両当たりの乗車人員を前年の28人から18人に抑え、乗り切れない場合は最大3両まで増結する。乗車前には検温、車内は窓を開けて常時換気する。運行は11月29日までで、月曜日を除き毎日1便の設定。

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終点・明智は地名で分かるように、大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、戦国武将・明智光秀ゆかりの地。明智駅近くには光秀が産湯を使ったとされる井戸がある。明智鉄道は観光客にシャッターチャンスを提供しようと、光秀のラッピング車両を運行中だ。

「麒麟がくる」のラッピング車両 写真提供:明知鉄道

文:上里夏生